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妊娠・出産のシーンに自然療法を!と強く思う理由

こんにちは。妊娠・出産から子育てまで、母子に寄り添うお手当てホメオパスの藤山道子です。

このブログに目を留めたみなさんは、何をきっかけにホメオパシーに興味を持ちましたか?
友人から聞いて、海外旅行先で見かけてなど色々な入口があるでしょうが、「子どもが生まれた」ことで自然療法に目が向き、そこからホメオパシーとの出会いへつながった方は多いのではないでしょうか。
わたしも、まさにそうでした。
そんな自分自身の体験を踏まえながら、ホメオパシーを妊娠・出産・育児に活用することのメリットと、役立つレメディを紹介していきたいと思います。

切迫早産からの出産→2才で免疫不全疑い

わたしには二人の息子がいます。
最初の子はあまり丈夫ではなく、熱を出す、下痢をする、熱を出す、咳が止まらない、熱を出す……と2才までは本当によく小児科のお世話になりました。

他の子よりも弱いみたいだなあ、いつからだろう?と振り返ると、妊娠中から少々問題はありました。
妊娠を期に引っ越しを決意し、冷え込み厳しい北海道の冬空の下、大きなお腹で連日のように物件を見に行って住まいを決め、しかもDIYで床を張り、そうしながらも仕事も休まずギリギリまで継続…という無茶が多分たたったのでしょう。切迫早産で入院したのが7か月に入ったころ。

高濃度の張り止め薬を24時間点滴・絶対安静の数週間でなんとか落ち着き、いったん退院はできたものの、結局、息子は予定日よりだいぶ早く生まれました。低体重ギリギリ。黄疸が強くてすぐ光線治療をしました。

幸いなことに母乳はよく飲み、身体は順調に成長しましたが、1才過ぎても便が1日10回近くと頻回で、つねに下痢。市販のお尻ふきでふくとただれてしまうから、毎回洗ってドライヤーで乾かしたり。
性格もいわゆる「カンの強い子」という感じでとにかく抱っこ、それも母の抱っこでないとダメでした。

生後10か月で保育園に行きはじめてからは、お決まりの風邪引きを繰り返すようになりました。どんなに小さな流行もキャッチしてはいち早く熱を出す。そのたび病院行っては薬をもらって飲ませるのだけれど、なかなかスッキリしない。長引く。人並外れて治らない。だから、まともに登園できる日がかなり少なかったです。

そうして、もうすぐ3才というころ、夜になると熱が38度を越える状態が何日も何日も続くようになりました。解熱剤でいったん下がってもまた上がります。0才からずっと通っていたかかりつけ医は、これまでの風邪の引きやすさと治りにくさも考慮してか「免疫不全の可能性あり」と判断、大きな病院へ送られることになりました。
すぐ入院。そして検査が始まりました。
抗生物質の点滴を細っこい腕に刺されながら、耳はもちろん心臓、腎臓、さらには脳まで検査。造影剤飲んで、小さい子だからさらに睡眠薬で眠らされてMRI。検査のたびに抜き差しする点滴痕は痛々しくて、見ている私も涙が出ました。

しかしたくさんの検査でも、どこにも悪いところは見つからず。
熱は抗生剤の点滴の甲斐あってか平熱に戻り、結局は「原因不明熱」だったということで2週間ほどで退院しました。

大きな病気が潜んでいなかったのは本当によかったです。ですが、ここで私はやっと「根本から変えなくてはいけない」と思うに至りました。

薬に頼りすぎていた反省

実は、わたしの実家は、2代続いた薬局です。
薬局なのに、いや、薬局だからこそなのか、「薬はあまり使うものじゃない」「風邪に効く薬はない」「たいていの病気は自然に治る」と、小さなころから言われて育ちました。

自分の体調管理においてはその考えは常に頭にあったはずなのに、ワーキングマザーとなったわたしは、初めての子育てに自信がなかったことと、保育園に行ってもらわねば仕事が立ちゆかないのとで、息子が少しでも咳込んだり、微熱が出たりするとすぐさま薬を与えるようになっていました。
「今度こそ一晩寝たら熱が下がるように」「今日こそ『咳がひどくてお昼寝ができませんでした』と言われないように」の切実な気持ちです。
当時は、まるでお守りのように薬をあげていたと思います。

実家に滞在中もコソコソ隠れて薬を飲ませていたので、感づいた父からは、「子どもにそんなに薬は必要はない」「咳は痰を出すためなのに止めてどうする」「熱はバイキン殺すのに必要なんだからやたらと下げることはない」など言われることもありました。

ハイハイと適当に返事しながらもわたしの心中は「わかってるよ!でも仕事があるんだ、休めないんだよ!こっちにも事情があって、生活があるんだ~~!!」の叫びでいっぱい。
やっぱり何かしらの薬をしょっちゅう飲ませていました。
薬で早め早めに手を打っていたつもりでした。

ですが結局、この入院です。

つくづく感じたのは、薬で数時間鼻水がとまったり、数時間熱が下がったりすることはあっても、息子の場合はその間に「治って」「元気になって」はいなかったということです。むしろ薬に頼りすぎていたことで、抵抗力を奪っていたのかもしれないということ。今さらながら、父の言葉が身に染みてきました。

必要なのは、当たり前だけれど「ゆっくり養生して待つこと」。
そうして、子どもの自己治癒力を、なるべくすみやかに発動させること。
薬はその一部の手伝いであって、主役は、自らの治る力なのです。

そんな基本をないがしろにしているがために、健康はどんどん私たち親子から遠ざかっていっている。今のままではダメだと、痛烈に思いました。
薬に頼り過ぎないとして、それじゃあ代わりにどうするか?なにか手立ては?家でできることは?
がぜん、自然療法や、自然な子育て法に目が向きました。
そしてたどりついたのがホメオパシーです。

はじめてのホメオパシー相談とその後の変化

ホメオパシーを取り入れる第一歩として、まずは初心者向けの解説本と、ドイツのホメオパシーレメディ数本入りのセットを取り寄せ、セルフケアでやってみることにしました。
しかしこれが難しい!
今から15年以上前の当時は、インターネット上にホメオパシー情報はほとんどなく、症状に合わせてのレメディ検索なんてできません。
本数冊を頼りにおっかなびっくりレメディを選んでも、とる頻度や、やめどきがよくわからず、そして症状が変化もせず。
これじゃあダメだと、ホメオパシー専門家への相談を決意。
当時、近くには相談できるところがなく、東京のホメオパシーセンターに連絡をとりコンサルテーション(健康相談)を受けました。息子、3才のときでした。

ホメオパスからの質問は、症状やこれまでの経緯のほかに、汗はよくかくか?水分はとるか?好きな季節は?見る夢は?など、一見不思議と思えるものが多くありました。
ハッとしたのは「妊娠中や妊娠前の母の状況や感情は?」という質問。
妊娠中にわたしが不安に突き動かされて過剰に頑張りすぎたことが、息子が弱さをかかえて生まれた原因のひとつではないかと、入院の一件からずっと感じていたからです。トゲのように引っかかっていたことに対して質問が来たことで、むしろ「ちゃんとそこも見てくれるんだ」と安心し、期待がふくらみました。

そうして数々の質問に答え、選ばれたレメディが届きました。
砂糖玉で、約1か月分。


その晩からドキドキしながら子どもにとらせました。
が……予想に反し、あらかじめ聞いていたいたような派手な反応はゼロ。1か月経っても劇的な何かはナシ。あれれ期待しすぎたか? とちょっと拍子抜けたのが正直なところでした。

ですが、処方のレメディをすべてとり終え、さらに数週間経過したところでふと気付くと、風邪はたしかにその後も引いているけれど保育園を休むほどのことはなく、今までに比べるとこじれず、軽く済んでいます。

そして、生まれてこのかたの下痢便が、かなりおさまっています。
続いて性格や行動が、明るくヤンチャ、大胆になっていき、保育園の先生に「最近、一皮むけましたね!」と言われるようになりました。
今まで汚れる遊びをまるでしなかった息子が、顔に泥をつけながら夢中で遊んでいる。なんなら道路の水たまりにダイブもする(!)。
前と違って、子どもらしいのです。
本来の個性が殻をやぶってあらわれてきたようだし、とにかく全体として「元気度」が上がっています。
なにか今までとは違う道に入った感がありました。

同時に「この子は思っていたより強いのではないか」という認識がわたしの中に生まれ、そのために、本来の状態に戻るのを「待つ」ことが、少しずつできるようになりました。

熱を出しても、咳が続いても「このままでは大変なことに」「早く病院で手を打たなくては」とは思わず、ある程度ゆっくり構えられる。
手元にはレメディもある。

こんにゃく湿布や、足湯もできる。

思えば、今までの薬の使用は、わたしの「あせり」が拍車をかけていたのだなと頭ではなく、肚でわかってきました。

第2子妊娠中にホメオパシーの学校へ入学

こうしてホメオパシーをきっかけに子育てパラダイムシフトが起こったわたしは、1年後、地元・札幌に開校したホメオパシーの4年制校に入学。
ちょうど第2子を妊娠中だったので、学びながら自らのマタニティケアにホメオパシーを即、実践しまくりました。
 

おかげで妊娠中はきわめて元気。心配していたお腹の張りも気にならず、近くの山を長男と一緒に登るなどもできました。
健康で経過良好だったので助産師さんや医師からOKが出て、出産はあこがれの自宅出産が叶いました。
なかなか陣痛が進まないときにレメディ入り番茶を飲んだら、いきなりスコーンと眠りに落ち、目覚めと同時にグングン陣痛が進み、大きな光の柱がわたしの中心を貫いたような感覚とともに赤ちゃんが生まれ出てきたあの感覚は忘れられません。すばらしい体験でした。

産後は、会陰の痛み、おっぱいの張り、腰痛も、腱鞘炎も、すべてホメオパシー活用で乗り切ることができました。

そんな実体験から、ホメオパスとなった今も、とくに母子にはホメオパシーをはじめとする自然なお手当て法と、その考え方を伝えたいという思いがわたしにはあります。なのでここでは、妊娠・出産・産後に活躍しそうなレメディを、実際のケースやエピソードをまじえながら紹介していきますね。

Carb-v.カーボベジは妊娠・出産時の強い味方!

ということで、前置きが長くなりましたが、妊活中、妊娠中、そして産後の方に、まずは一つだけレメディを紹介するとしたら、わたしが推すのはこちらです。

【Carb-v. /カーボ・ベジ】
ぐったりとしてしまうときや、貧血、ムカムカ対策にぜひ手元に置いてほしいレメディです。

妊活・妊娠中なら

  • 貧血、衰弱、起き上がったときに気が遠くなる、冷たい汗をかく
  • 立ちくらみしやすい
  • 酸欠、呼吸が苦しい、あえぐ、息切れする、咳が出て息が吸えない
  • 衰弱してぐったり、動きたくない、横になりたい
  • 消化不良でむかむかする、お腹にガスがたまって膨満感
  • 暑いむっとした部屋や、排気ガスで気持ち悪くなる
  • げっぷをしたい、あおがれたい、窓を開けたい、ウエストをゆるめたい
  • 静脈瘤(脚、太もも、外陰部)
  • 血栓になりやすい
  • 産後の消耗、脱毛
  • 咳が出て呼吸が苦しい

といったときによく合います。

赤ちゃんには

  • 顔色が悪い
  • 泣きが弱い、元気があまりない
  • 手足が冷たい
  • へその緒が巻きついた状態で生まれた
  • 心音が一時的に下がる難産で生まれた(まさにそのときにもいいのですが、医療的処置はもちろん第一に必要!)

などの場面で。

妊娠中は、においに敏感になったり、消化不良になりやすく、初期はとくに急に血液量が増えるのに赤血球はそこまで追いつかなくて「血が薄い」=貧血状態になりやすいといわれます。
また、不妊治療でのホルモン剤服用中にも、吐き気やむかつきが出ることがあります。
妊娠出産を待つどなたにも出番がありそうなレメディなので、覚えておいて損はないでしょう。

私自身の経験では、産後しばらくして、いきなりの貧血で気持ち悪く横になっていたとき、【Carb-v./カーボベジ】の30Cを口に入れたところ、その1粒が溶けきるかどうかで、早くも「何か糖分を取りたい」と冷蔵庫まで歩いて(それまではとても立って動けなかった)、リンゴジュースをコップについで飲めるまでになったことがありました。
数分後には、自分でオニギリも握っていた記憶です。

【Carb-v./カーボ・ベジ】の原料は「植物炭」。いわゆる木炭です。

まっくろなあの外見。パッと見は冷たく、鉱物的で、「生きたモノじゃない」感じ。火など宿していないように見えるけれど、あおげばどんどん内側から燃えさかる。それがそのままこのレメディの特徴です。

まるで生命力が抜けてしまったようなときに、使ってみてください。
消えかかっていた元気に新鮮な風がひゅうっ!と送られ、火がともる感じがします。そして酸素ー二酸化炭素のガス交換がうまくいかない状態から脱し、呼吸と血の巡りをサポートします。

妊娠中は、出かけた先の駅で急に疲れて座り込んでしまったり、人の多い室内で突然気分が悪くなることもあります。
外出時にはポーチに入れておくといいですよ!

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回からはさらに、妊娠・出産時に役立つレメディを沢山紹介していきますね。

 

 

ABOUT ME
藤山 道子
実家は2代続いた薬局。息子の免疫不全を疑われるほどの病弱さがホメオパシーで改善したのをきっかけに、次男妊娠中の2007年、専門的に学ぶべくRAH(現CHhom)に入学。在学中にホメオパシーをフルに活用して、楽しく元気に自宅出産。授乳しながら学校に通い、学んだことを子育てに即実践する4年間を経てホメオパスになりました。さらに、ホメオパシーと相乗効果が高く、赤ちゃんからお年寄りまで対応する手技療法「頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラル・セラピー)」も学び、ホメオパシーとの両輪で活動。その人本来の「あるがまま=spontanea」の心地よさを取り戻してもらえるように、すべてのセッションはほっとゆるんで、ふっと笑えて、すっと軽くなる雰囲気でおこなうのがモットー。自身の経験から妊娠、出産、赤ちゃんのケアに関する相談のほか、意外に男性からのご相談も多いほうです。 JPHMA認定ホメオパス/クラニオセイクラル・セラピープラクティショナー/NPO法人和のお手当て会講師

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