お家いきいきペットケアドクターの今村香です。
先日、ヨガマスターの呼吸法の講座を体験してきました。最初は眠くてだるかった身体も、30分もやると意識もすっきりしてきました。いわゆるマインドフルネスな状態を獲得できました!
やっていることはマスターに合わせて、ただただ呼吸に意識をすること。吸って吐いているだけでした。それが誰でも出来てどんな状態でも出来る、一番簡単で、一番安くて、一番難しい健康法の呼吸です。
そんな、何気なくしている呼吸を振り返ってみました。
私たちが吸っている空気には?
地球の空気の割合
地球の空気には酸素(O2)が約 21%、窒素(約 78%)、残り約 1%のほとんどはアルゴンが占めています。アルゴンっていうのは、化学反応をしにくい安定した元素で医療用レーザーや蛍光灯の中に使われています。ようするに、ほとんど気にしなくていいものです。
地球温暖化で問題となっている二酸化炭素は,わずか 0.04%という量にしかすぎません。地球以外の惑星では、二酸化炭素や窒素、水素といったものがほとんどで、酸素がほとんどありません。
もし、酸素濃度が低くなったらどうなるのでしょうか?
18% 安全限界
16% 動機、頭痛、吐き気
12% めまい、吐き気、筋力低下
10% 顔面蒼白、意識不明、嘔吐
8% 失神、8分以内に死亡
6%以下 瞬時に昏倒、呼吸停止、死亡
たった2%濃度が下がってしまうだけで動悸、頭痛、吐き気に襲われてしまうのです。意識してないと、危険なことになりますね。
なぜ、呼吸をする必要があるのでしょうか?
実は、エネルギーを作り出すためです。
口や鼻から吸い込んだ大気中の中の酸素を使い、食事から取り込んだ糖を分解して、細胞はエネルギー(ATP)を作っています。
このエネルギーがないと細胞は働くことが出来ません。じっとしていても、考えることも、推し活をしていても、食べたものを消化することも、病気と闘うことも、寝ることも、いつでも私たちの体は働いています。
なので生きていく限り、エネルギーを作って作って作りまくっているのです。このエネルギーが十分に作れないと老化の一因になっていきます。
人はどれくらいの酸素を吸っているのか?
人間は、毎分300mlの酸素を吸って、250mlの二酸化炭素を出しています。成人で、だいたい1分間に12~20回、乳幼児は30~40回と多くなります。
ただ、肺に入った空気全てが完全に入れ替わることはなく、気管などの酸素交換ができない場所に含まれている分はそのまま使われずに外に出ます。それがだいたい150mlぐらいあります(死腔)。普通に呼吸していると、だいたい1回で500mlの空気を吸っています。浅い呼吸になると250ml/回になるので、その代わりに回数を多くします。それが浅くて速い呼吸になります。
1分間で肺胞がガス交換をしている換気量を計算していくと、深呼吸といわれる深い呼吸をしていると6800mlの空気の入れ替えが出来るのに、浅い呼吸だと3200mlしか交換できません。
1回換気量 | 呼吸数 | 1分間の換気量 | 死腔量 | |
浅くて速い呼吸 | 250ml | 32 | 8000ml | 150ml |
普通の呼吸 | 500ml | 16 | 8000ml | 150ml |
深呼吸 | 1000ml | 8 | 8000ml | 150ml |
肺胞換気量 | 1分間の肺胞での換気量 | |
浅くて速い呼吸 | 100ml | 3200ml |
普通の呼吸 | 350ml | 5600ml |
深呼吸 | 850ml | 6800ml |
肺胞換気量は1回換気量-死腔量、1分間の肺胞での換気量は肺胞換気量×呼吸数
浅い呼吸が続くということは、酸素の取り込みが減るにもかかわらず筋肉を動かすエネルギーはたくさん必要な状態ということになります。その結果、だるさや疲労感が生まれてしまいます。活動レベルも必然的に下がっていきます。
特に、筋肉で酸素が足りなくなるとこりや痛みが生まれます。脳で酸素濃度が低下するとボーっと集中できない状態だったり、記憶力の低下にもつながります。
不思議なことに、十分な呼吸をしていると運動した後の筋肉痛の痛みを感じにくくなったりします。疲労からの回復も早めたり、活動レベルをあげてくれます。
もちろん大好きなホメオパシーにも酸欠状態を助けてくれるレメディがあります。
レメディのArn/アーニカは血管や血液に作用するので、足りないときは血流の流れを促して、肺での酸素の取り込みと運搬能力をあげます。それによって筋肉痛や疲労感を払しょくしてくれます。逆に出血や打撲といった損傷が起きると、その部分の出血を止める働きを強めていきます。
また、Carb-v/カーボベジは身体の酸素欠乏状態を感知して、細胞内の酸素の取り込みを増やして酸欠状態を解消するように働きだします。それによって身体中の疲労感、倦怠感の解消や消化機能の促進、体温上昇につながっていきます。
無意識的?意識的?
呼吸をするときに、肺が膨らんだりしぼんだりして空気を吸い込んだり吐いたりしていると思っている方が多いと思いますが、実は、肺は自分の力で大きくしたり小さくすることはできません。
その代わりに、肺の周りにある肋間筋や横隔膜の動きによって肺が膨らんだり縮んだりして、空気を入れたり出したりすることが出来るようになっています。
吸う時は、外肋間筋と横隔膜が縮まり、胸郭を広げ胸膜腔の圧力が下がり、肺が横と下に引っ張られるように大きく膨らみます。
吐く時は、逆に外肋間筋や横隔膜が緩んで胸郭を縮めます。すると内圧が高まり、肺の中の空気を押し出します。
普段何気なく吸ったり吐いたりしている動きは、ほとんどが無意識でおこなっています。
この無意識で働いている機能をホメオスタシスといいます。ホメオスタシスによって身体は体温や血圧,脈拍,消化吸収,代謝などをバランスよく保っています。寒いときには温めるように、胃の中に降りてきた食べ物は消化液を分泌して、身体に吸収できるまで分解され、いらないものは便や尿となって排せつされます。心臓はある一定のリズムを刻み、体中に血液を流していきます。
ホメオスタシスをおこなっているのが主に脳の中にある脳幹です。
呼吸もこの脳幹が、血液中の酸素・二酸化炭素濃度や血圧などを感知して筋肉を動かして呼吸を自動的に動くようにシステム化しています。脳幹には自律神経も深く関わっています。
ホメオスタシスは意識的にコントロールすることができません。しかし人間の呼吸だけはコントロールすることが出来ます。
この意識的な呼吸によって、逆に自律神経へ働きかけることができます。腹式による呼吸をすることによって副交感刺激が起こり、リラックス効果をもたらしていきます。逆に胸式呼吸は緊張状態を生みやすくなります。
このことを利用して、これからテンションをあげないといけないとき、やる気スイッチオンをするときは、強い胸式呼吸をして体も意識も活性化しちゃいましょう。
まとめ
意識的に呼吸をすることで、自律神経も整えることが出来、オンオフの切り替えも自在にできるようになります。
また、日ごろいろいろと考えすぎてしまうタイプの人は、呼吸に意識をするだけでマインドフルネスが手に入れられます。
呼吸は誰でもできます。費用も掛からず、身体が固くても、運動が出来なくても、寝ていても。必要なのは意識することと継続力です。
しかし、忘れても、思い出したときにやり直せるのが良いところです!
最後に、呼吸に関連する松実ホメオパスのブログ紹介