毎日の生活を楽しく豊かに。「あなたが自分の力で治る」をサポートする、ホメオパスの麻生摂子です。
今回のテーマは、身体を整える〜夏編〜。身体を整えるシリーズも3回目となりました。
ホメネクお悩み相談室に辿り着いた方たちは、お薬に頼ることなく健康に暮らしたい!ということが共通の願いではないでしょうか?
かく言う私もそんな一人。
できるだけ自然に。
毎日の食事、暮らし方、気の持ち方など、当たり前なことこそ丁寧に行うことで、自然に薬とは縁遠い生活になります。レメディーを摂る前に必要なことですね!
それでは!身体の整え方〜夏編〜をお伝えしたいと思います。
黄帝内経から
春の過ごし方のところでもお伝えしました、中国古代の医学書、黄帝内経からの引用です。そこには夏について以下のように書かれています。
夏は「生長」の季節という。
この3ヶ月間、天地間に陰陽の気が盛んに交流する。
陽気が多く発生するので、万物がどんどん成長して咲き栄える。
夏の養生法。
夜は遅く寝、朝は早く起きる。
日の長さと暑さを厭うことなく、物事に怒らずに気持ちよく過ごすべきである。
つまり、夏の満開した花と同じように、体内の陽気をほどよく発散させる。
これは夏の「成長」の気に相応する養生法である。
これに背くと、夏によく活動する心気が傷む。
すると、秋になって瘧*になるのである。
*瘧・・間欠的に発熱する熱病
夏は陽気が活発な季節。
自然界は陽気に包まれ、例えば照りつける太陽の中、大空に向かって伸びやかに背を伸ばす向日葵のように。小宇宙である私たちの身体にも同じようなことが起こっています。ぐーんと伸びたいという熱量というか欲求ですね。ですが、あの夏の暑さには誰しもが辟易するのではないでしょうか。その辺りのバランス(ぐーんと伸びたくても暑過ぎて外に出られない。熱量はあるのに発散できない、発散しない)を、どのようにとっていくかが、夏、ひいてはその後に続く秋冬を元気に過ごすポイントのようです。
前述の黄帝内経には「夜は遅く寝、朝は早く起きる」とあり、これはまるで夏は夜更かしをしても良いとも読み取れますが、色々な人の訳を見てみると「冬よりは日が長いから、少しは遅く寝てもいいよ」という解釈が良いようです。太陽に合わせて過ごしなさいということでしょう。
夏の一日は長いけれど、太陽が昇る時間に合わせて早起きをし、暑さを嫌わず、イライラせずに暮らしなさい。木々花々のようにぐーんと背を伸ばし、ほどよく汗をかき体内にこもった熱を発散させなさい。このように過ごすことが夏の養生になります。そうしなければ、夏によく活動する心の気が弱ってしまい、免疫力が落ちて秋に熱病にかかる原因になりますよ、と教えてくれています。
夏は陽を養う季節
陰陽については以前のブログで取り上げましたが、冬が陰を養う季節であるように、夏は陽を養う季節です。参考「身体を整える〜春編〜」
冬の間に充分な陰が養われていないと、夏の暑さで体内にこもった熱を冷ますことができません。同様に、夏の間に身体に充分な陽を養っていないと、冬の寒さで冷え切った身体を温めることができません。
暑がりの寒がりさんは、どこかのタイミングで少しだけ頑張って季節の過ごし方を見直してみたら、次の季節は少し楽に過ごせるかもしれませんよ。これほんと!
では、どこから始めましょうか?陰を養う方法はいくつもありますが、陰を養うには早寝が大切なので、まず早寝の習慣(特に冬)をつけてみる。そうすれば夏の暑さも少し楽になるでしょう。少し楽になったら、暑い中でも少し涼しい早朝に早起きをして活動する。庭いじりでも良いでしょうし、散歩、ジョギングなども良いでしょうね。そうやって活動し太陽の光を浴びることで陽は養われます。すると冬の寒さに強くなるかもしれません!
言うは易し行うは難し(笑)。知ってます。
夏バテしちゃうんです。その原因は?
でも、理屈は何となくお分かりいただけましたか?
夏が苦手な人は冬こそに、冬の苦手な人は夏こそに、気をつけなくてはならない過ごし方のヒントが隠れているようです。
暑さだけじゃない日本の夏
理屈では分かっていてもしんどい夏。それは日本の夏は暑さだけではないから。カラッとしていれば日陰に行くだけで、扇風機をつけるだけで涼やかに過ごせますが、日本の夏は湿度が高い。これが私たちの身体を、よりしんどくさせる理由のひとつなんです。
以前の記事「身体を整える〜梅雨編〜」のところでも書きましたが、日本人は土地がら脾の弱い人が多く、湿気が苦手な人が多いと言われています。ですから、この湿気、湿邪を克服、対処することも夏を過ごしやすくする大切なポイントです。
この習慣が夏バテの原因を生んでいるのかも!?
もう何を言われるのか分かっちゃうようなこのフレーズ。分かっちゃいるけどやってしまうこと。
◎冷飲冷食
暑い日は冷たいビールにかき氷。冷たい素麺に冷やし中華!これぞ夏!
ですがそれらの物、とり過ぎは脾を傷め、消化不良、食欲不振、疲労倦怠感の原因になります。
◎汗をかくから水分補給
水分補給はもちろんとても大切。ですが、過剰な水分補給は身体の負担になります。あなたの身体は、その水分をきちんとさばき切れていますか?
◎一日中ガンガンに冷やした部屋で過ごす
部屋の湿度が下がるだけで随分と過ごしやすくなりますから、冷房は上手に取り入れたいですね。ですが、一日中身体を冷やしていると、冬の身体の弱さに繋がるだけではなく、体温調節力の低下にも繋がります。
● 暑さだけでなく湿度を克服!
● 梅雨の養生も引続き並行して。湿度の苦手な人は脾を大切に。
夏バテ対策。これやってみて!
食べものの効能を上手に取り入れてみる
私たちが何気なく食べている食材には、それぞれ驚くほどの効能があります。これらの効能を覚えるまではしなくても、さまざまな季節の食材を美味しく頂くことで、気付かぬうちに身体は整っていくのかもしれません。
暑い夏には、ついつい冷たく冷やしたものを口にしたくなりますが、冷やしていなくても、もともと身体を冷やす作用のあるのが多くの夏の食材です。
冷やし過ぎも水分の取り過ぎも、胃を冷やし身体への負担になっています。冷やす作用、潤わせ渇きを抑えてくれる作用のある食べものを摂ることで、冷たいものを摂りたい欲求が少し軽減するかもしれません。
◎ 身体の熱をさっぱりとさせてくれる食べもの
豊かな自然は私たちに季節に合った食べものを実らせてくれます。夏には清熱作用、解暑作用のある食べものも豊富。
なす、すいか、ゴーヤ、冬瓜、モロヘイヤ、パイナップル、メロン、バナナ・・などなど。
◎ 身体を潤わせ渇きを緩和させてくれる食べもの
きゅうり、ズッキーニ、冬瓜、トマト、もやし、蓮根、シークワーサー、すいか、すもも、びわ、パイナップル、ぶどう・・など。
◎ 身体の湿を取り除いてくれる食べもの
いんげんまめ、枝豆、空芯菜、セロリ、モロヘイヤ、しじみ・・など。
◎ 脾の働きを整えてくれる食べもの
うるち米、はとむぎ、さつまいも、じゃがいも、山芋、いんげんまめ、枝豆、青梗菜、にんじん、いわし、牛肉・・など。
◎ お腹を温めてくれる食べもの
生姜、山椒、ニラ、ねぎ、しそ、みょうが・・など。
* 冷たい素麺や冷奴と合わせて食べることで、胃の冷やし過ぎを軽減させてくれます。
胃に手を当ててみて!
冷たくないですか?胃に手を当ててみて冷たい人は、胃が冷えているのかもしれません。
消化不良や食欲減退のきっかけになります。冷たいものを摂りすぎていないかチェック!
足首、足先が冷えていませんか?
足先を触ってみてください。冷たくありませんか?
冷房の部屋にいると、夏と言えども足先は冷えていることが多いです。足先が冷えていると上半身の火照りの原因にもなります。靴下を履いたり足浴をしたり、冷えている足を温めてみてください。
汗のかきすぎは要注意!
身体の熱を発散させるために汗をかくことは効果的です。ですが、汗(身体の水分 )が出る時、身体からは共に「気」が出ています。ダラダラと汗をかいた後、ぐったりと疲れてしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか?
敢えて辛いものを食べて汗をかかせる方もいらっしゃいますが、場合によっては逆効果。何事も自身の体質を見極めた上で行ってくださいね!
楽しく元気に夏を乗り切ろう!
実は「私が」夏が苦手なので・・(笑)。以上のことを意識してこの夏を乗り切ってみようと思います!元気に秋冬を迎えるためにも。
ともに頑張りましょう。
早寝早起き。
早朝にじんわり汗をかくこと。
冷たいものを摂りすぎないこと。
冷房で身体が冷えていないかチェック!