北海道・札幌からこんにちは。
ホメオパシーと頭蓋仙骨療法で心地いい自分を取り戻す、お手当てホメオパスの藤山道子です。
ホメオパスになって、あっという間にこの6月で丸12年。今、13年目に入りました。
ホメオパシーの相談を受けた件数はちゃんと数えていませんが、のべ1000人を超えているのは、たしか。
その中にはいわゆる「発達障害」「グレーゾーン」「発達凸凹」のお子さんが、かなりの人数いらっしゃいます。(障害とかナントカの名づけ・分類には疑問もありますが、ここでは便宜上これらの言葉を使っていきます)
そして、ホメオパシーをある程度続けるうちに変化が見られたお子さんも、決して少なくはありません。パニック状態になることが大きく減る、夜眠れるようになる、IQが驚くほど上がる、支援級から普通級に移行するなどなど……すごいなあと何度も思いました。
子どもには可塑性と可能性がある。そのすばらしさを目の当たりにします。
発達障害へのホメオパシーでのアプローチ
発達のお悩みにホメオパシーでどんなふうにアプローチするかというと、
① 問題となる症状や、体質に適合するレメディを使う
+
② 有害物質をすみやかに排出(デトックス)できるよう働きかける
の二本立てで考えることが多いです。
①は発達障害に限らず、ホメオパシーでの対応はすべてこれが基本ですね。
では②のデトックスとはなんでしょう?
なぜ必要なのか、どうやってやるのか。何につながるのか。
そのあたりを今回は説明していきます。
改善にデトックスが必要な理由
それは現代社会では、どうしても多種多様の人工化学物質が体内に入ってきてしまうからです。
例を挙げると
●食品や薬品に含まれる水銀、ニッケル、アルミニウムなどの重金属
●ディーゼル排気などの大気汚染物質
●有機リン系農薬、ピレスロイド系農薬、ネオニコチノイド系農薬
など。
最近では、強い香料の存在も無視できません。
これらはホルモン系や神経系、免疫系をかく乱する(かき乱す)ことが指摘されています。
大人の成熟した脳であれば、「血液脳関門」がこうした有害な化学物質が脳へ侵入するのを防ぐのですが、胎児期や子どもの血液脳関門はまだまだ未熟で、残念ながら有害物質も通してしまいます。
その結果、発達に問題が生じるのではないか、ということです。
ホメオパシーでのデトックス方法
現代のこの環境を踏まえると、まずは体に悪さをしていそうなものを外へ「出す」ことをできる限り促進したいわけです。そのためにホメオパシーでは以下のようなやり方をします。
解毒の要の臓器を…MTでサポート
まずはなんといっても肝臓、腎臓といった解毒の要となる臓器の機能を高めること。
これには植物の有用成分を直接取り込んで臓器を養生するマザーチンクチャーが適しています。
MT例
●バーバリスブルガリス/和名:セイヨウメギ(肝・腎)
●カーディアスマリアナス/和名:オオアザミ(肝・胆)
●タラクシカム/和名:セイヨウタンポポ(肝・脾)
原因物質の影響を…トートパシーで中和
不調の原因となっている有害物質そのものを希釈浸透して作ったレメディをとることで、その物質による負荷を軽くするのが「トートパシー」とよばれるやり方です。化学物質や毒素による影響が大きくて、ホメオパシーで自己治癒力を促進するだけではその重しを外しきれないときに主に用います。
たとえば花粉症に、原因物質のスギ花粉そのものから作ったレメディを使うのはトートパシーの一例。本来は薬であるはずのもので体調悪化が起こってしまった時などもこのトートパシーの手法を使います。
●ホメオパシー:同種療法=調子の悪さと似た性質のレメディを使う
●トートパシー:同一療法=調子の悪さを引き起こした原因物質そのもののレメディを使う
ホメオパスにより用い方は異なりますが、治療のメインというよりは補助としてホメオパシーと併せて使われることが多いです。
体内ミネラルバランスを…ティッシュソルトで整え
鉄やマグネシウムの不足、またはリンの過剰など、体内ミネラルのアンバランスは代謝に異常を起こします。何かが多すぎる一方で、足りない何かはうまく取り込めないという状態。その結果として精神状態にも影響が及び、たとえば集中力が失われて散漫さが目立ったり、感情のたかぶりや、睡眠障害も起こりやすくなります。
バランスを適正に保ち代謝を高めるには、ミネラルから作られたいわばホメオパシー版のサプリメント「ティッシュソルト」が役立ちます。
このような手法を、個々のケースに応じて選び、また組み合わせて「出せる体」へと導いていきます。
デトックスで良くなる腸内環境~アレルギーも改善へ
さて、そのように様々な手法を駆使して不要な化学物質や毒素を排出する力が高まると、
結果として、腸内環境も良くなります。
これがまた、重要なのです!
腸内環境が喘息やアトピーなどのアレルギー症状に関係するというのは、昨今、現代医学の世界でもさかんに指摘されている通り。
と同時に、「脳腸相関」というように、腸の状態は、脳をラクにする・気持ちを穏やかにすることにも関係します。
脳腸相関とは
ストレスを感じるとおなかが痛くなるし、逆に、腸に病原菌がはびこると脳には不安感が増すという、相互に影響を及ぼしあう関係。
発達凸凹のお子さんは、アトピーやアレルギー性鼻炎も持っていることが大変多いですが、
腸を制することは、両方の問題の改善に役立つ、つまり
解毒力、排泄力が高まる ⇒ 腸がよくなる ⇒ アレルギーが減る&脳がラクになる
という図式が成り立つといえます。
腸内環境については田久保さんの以下の記事も参考になります。併せてお読みください。
腸内環境を整えて免疫力アップ
不要なものは「入れない」食生活も大切
ここまで考えると、デトックスを促進すると同時に、
毎日の生活で「腸や脳に負荷をかけ過ぎるものはなるべく入れない」のも大事だとわかってきます。
荷物が重いとそれだけでエネルギーをよけいに消費してしまうもの。
それより、本来の治癒力を発揮するほうに、エネルギーを注げるようにしたいですからね。
そのためには、日常の食事がやはり大事。
食事といえば、マクロビオティック、糖質制限、ケトジェニック、ローフードなどいくつもの考え方があります。伝統的な中医学、アーユルヴェーダでも様々な食事法が提唱されています。
それぞれに理由があり、優れた方法なのでどれを取り入れるか迷うところですが、
それらにおおむね共通していて、かつ、実践すると変化が感じられやすいと私が思うのは
「砂糖」「小麦粉」「食品添加物」をちょっと減らしてみる
ということです。
砂糖…カビと血糖値の問題
砂糖のとりすぎは腸内の細菌叢を変化させ、真菌(カビ)を増殖させてしまいます。
代表的なカビは「カンジダ」。
カンジダ菌は倦怠感(副腎疲労)を引き起こし、ビタミンやミネラルの不足を招きます。
また、砂糖のとりかたによっては血糖値の乱高下という問題もあります。
空腹時に砂糖がいきなり多く入ると血糖値が急激に上がり、すると、それを鎮火させようとインスリンがたくさん分泌されて、今度は逆に血糖値が急激に下がるのです。
すると、だるくなり眠くなるので、脳は緊急事態だと判断。しっかりしろ!とばかりに、アドレナリンを出します。でもアドレナリンは気持ちをイライラさせたり、興奮させたりという副産物もあるので、頭はたしかに動くけれども情動が不安定だということになりやすい。
子どもでいうと、多動、騒ぎすぎる、キレる、などにつながりやすいのです。
小麦…グルテンと小麦ペプチドの問題
小麦は、そのものがアレルゲンとなりやすいのもさることながら、含まれる「グルテン」が問題とされます。
グルテンは消化酵素で分解しにくいので、異物として腸の内側に貼り付き、腸粘膜を傷つけ荒らします。
とともに、グルテンの未消化物のグリアドルフィン(小麦ペプチド)が脳内の報酬系を刺激して、モルヒネのようにドーパミンを過剰に出させてしまいます。
すると興奮状態になり、もっとその刺激が欲しくなるという、大げさにいえば中毒状態になるといわれます。
食品添加物・人工着色料…自閉や多動の傾向を強める因子に
食品添加物・人工着色料はなんとなく「良くないのでは」という話ではなく、実際の研究結果もあります。
●「自閉症の子の便には、加工食品に防カビ剤として添加されるプロピオン酸(PPA)が非常に多く見られ、また腸内細菌は、そうでない子と異なる」という研究
(米 セントラル・フロリダ大学2007年)。
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●「人工着色料・食品添加物の日常的な摂取は、子どもの多動性を強める」という研究
(英 サザンプトン大学 2019年)。
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発達障害が食品添加物と100%関係するわけではありませんが、“その傾向を強める可能性はある”という事実。
そして、研究で指摘されているのはある特定の化学物質ですが、それが一つではなくいくつも複合的に体に入るとどうなるか……は、まだまだわかっていないということ。
一つでも影響があるなら、重なればもっと何かあるのでは?との想像は否定できないです。
だから、日々の食事でなるべく添加物が少ないものを選ぶのは、大事なことだと思います。
とはいえ、こだわりすぎず柔軟に!
食品に関しては、上記のほかにも乳製品に含まれるカゼインが良くないとか、鉄分不足も問題だとか、挙げればもっとありますが、どれもこれも「絶対食べるな」「これをとれ」と言いたいわけでは決してありません。
家族みんなでケーキを囲むパーティは、砂糖抜きを徹底するよりも、きっとずっと価値があるし、たまにはハンバーガーとポテト片手にドライブ!なんて楽しみを親子で共有するのもステキです。
ガチガチになる必要はありません。
ガチガチは心理的抑圧を生み、別の問題につながります。
楽しみを殺さず、ぜひとも柔軟に!と思います。
ただ、ここで主題にしているお子さんたちは、自分で食を自由に選べる大人ではなく、かつ、「本人ではどうしようもない脳のストレス感」がある状態です。
そう考えたとき、脳ストレスが少なく済む食事のコツを周りの大人は知るだけは知っておき、必要と思うときに試してみたらいいのではないかと思い、今回の記事を書きました。
少しでも参考になれば幸いです。
そして・・・発達のお悩みに対してのホメオパシーサポートは、
ぜひお近くのプロフェッショナルホメオパスにご相談ください。