生活習慣病の改善をサポートする保健師でホメオパスの清瀧です。今回は、胃もたれの原因とその対策についてです。
胃がもたれない食べ物はうどんよりステーキ?!
私は家族と時々ゴルフに行きますが、その時なぜか食後に胃もたれを感じることが多いのです。昼食後すぐに午後のプレイを再開するからか、そのため胃が重くてなんとなくそれが午後のパフォーマンスに影響があるようにも感じていました。
そのため昼食時は軽く済ませたいので、うどんやパスタなど麺類をよく食べていたのですが、それでも胃症状に変化はありませんでした。ところが先日、ゴルフ時の昼食で珍しくステーキを食べたそのあといつもどおり、午後のプレイを再開したにも関わらず胃はもたれることなく食後快適に過ごすことができたのです。
ステーキなんて重い食べ物でなぜ胃もたれが改善したのだろう?その話をジムのトレーナーさんにしたところ、早食い傾向を言い当てられて腑に落ちました。その通り私は食べる速度が速く、よく噛まずに食べる傾向があります。
この早食いの技は、20代の頃、病院勤務時代に培ったのですが、健康にとって良いわけではなく、わかってはいたもののここまで気になる症状もなくそのまま過ぎていきました。が、今回ようやく、わが身をもってそれが自覚症状として体に現れたことで、その影響について自覚することができました。
早食いの人は炭水化物を消化しにくい傾向がある!
実は、うどんやパスタなどの炭水化物は、まず口の中でしっかり噛むと消化酵素のアミラーゼが分泌され、炭水化物を消化してくれます。その後、胃を通り越して小腸で消化されます。
また、ステーキのような肉類は、たんぱく質なので胃で消化されます。早食いの私は、ただでさえ胃では消化しない炭水化物を、口の中で噛むと生じる消化酵素で分解することなく胃に送っていた、だから胃がもたれていたのです。
対してステーキは、噛まないと飲み込めないから、ある程度かみ砕いた上で胃に届き、しかも速やかに胃液が消化してくれるため、胃はもたれずに済んだのでしょう。
消化に悪いとは思いつつ、なかなか行動化できなかったよく噛んで食べるという行為を、これからは少し意識して取り入れていこうと思った出来事でした。
胃もたれとはどのような症状か?胸焼けとの違いは?
日常生活でよく起こる、この胃もたれとは、食べ物がうまく消化されず、生じる胃の不快感の総称です。我々の日常の中でよく起こる症状の一つで、「何となく胃が重い、胃が苦しい、おくび(ゲップ)がでて胃が張った感じ、胃の中にいつまでも食べ物が残った感じ」胃がムカムカして目が覚める、胃が膨らんでいるなど、人によっては、重さと共に痛みを感じる場合もあります。
因みに、胃もたれと似ている消化器の不快感として「胸焼け」がありますが、胸焼けの場合、胃液が逆流することで、みぞおちから喉にかけて、じりじりとした不快感があるのが特徴で、今回の胃もたれとは区別します。
胃もたれの原因
今回の私の胃もたれは、一過性のものでありよく噛むことで改善できましたが、この胃もたれの原因として次の4つの原因が考えられます。
- 飲み過ぎ・食べ過ぎたとき
- 消化の悪いものを食べたとき
- 胃の働きが落ちているとき
- ストレスがあるとき
- 飲み過ぎ・食べ過ぎると消化が間に合わず胃に負担がかかります。
- 消化の悪いものは、消化に時間がかかるため胃に負担をかけます。
- 加齢または、体調不良の場合、胃の消化機能がうまく働きません。
- 胃の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れると、食べ物を消化して、小腸におくり出す働きが弱まってしまいます。
自分でできる胃もたれの解消策
まずは、自分で対応可能な方法について考えてみました。
- 1.ゆっくりよく噛んで食べること・食べる量を考える
- 2.消化の悪い物や胃酸過多を促す物を控える
- 3.食後30分位の休憩時間を持つこと
- 4.ストレスとの付き合い方を考える。
- 5.喫煙を控える
- 1.先ほどの私の事例のように、炭水化物は口の中でしっかり噛むことで、リパーゼという消化酵素が混ざり胃に届く間に消化できるようになります。そしてそれ以外の食材も、しっかり噛むことで胃での消化の負担を減らすことが可能です。そして、一度にたくさん食べ過ぎる場合は、腹八分目にすることで胃の負担を減らすことが可能です。
- 2.脂っこい食べ物は消化に悪いです。また、香辛料・カフェインを多く含む食べ物や飲み物は、胃酸の分泌を促してしまうため、胃酸過多になり胃に負担をかけます。ですから胃の症状があるときは、これらを控えるよう、とり方には気をつけましょう。
- 3.食後に休憩時間を持つことで、自律神経である、副交感神経が優位となります。副交感神経の働きが強まると胃液の分泌も増加するので休憩時間を持つことは、胃の消化機能を高めることに繋がります。
- 4.適度なストレスは生活を活性化します。しかし、そうはいっても高いストレスで体調を崩す人がいることも事実。自分が楽しめることで発散するのも良いですし、自分の感情をキャッチしてアウトプットしてみましょう。話すことは、感情を外に出せるメリットと、気持ちの整理もできるのでストレスの原因に気づくことも可能です。ただし、アルコールやタバコは胃に負担をかけるだけでなく、かえって心身にとってストレスをかけてしまうため注意する必要があります。
- 5.タバコを吸うと、一般的に血流が悪くなるといわれています。これは、胃にも負担となります。胃に張り巡らされている毛細血管の血流量が減り胃の働きが落ちてしまい、胃粘膜が荒れてしまいまいます。喫煙をやめることは毛細血管の血流量を改善するため、味覚も回復します。
ホメオパシーを使っての胃もたれ解消策とは?
ホメオパシーでも、胃の症状に対してそれを解消するために有効なレメディがあります。ホメオパシーの一番特徴は、「その人に起こっている症状と同じ症状を引き起こすレメディを与えることで、自己治癒力を刺激し治癒に導く(同種の法則)こと」です。具体的には、胃もたれと言われている症状の中の、例えば胃の中に石があるように重いという症状に対して、症状がない時にそのレメディを摂ると、同じ胃の中に石があるように重いと感じる症状が出てくるものを摂ることで、その症状がなくなるという現象が起こることです。
そして自覚症状だけでなく、そのレメディの持つ精神像がその時の使う人のタイプや心情と一致している場合は、より同種ですからレメディがヒットする(=レメディが症状に合って改善がみられる)確率が高くなります。
さまざまな消化不良の症状を持つレメディをご紹介します。
・Carb-v.(カーボベジ):消化不良の原因が、胃がガスにより張っている傾向が強い場合に使用されます。二日酔いで頭痛を伴うとき。
・Calc.(カルカーブ):消化不良の原因が、仕事による疲労や、将来の漠然とした不安からくることがあります。疲労からイライラして愚痴を言ってしまう傾向。活発に体を動かすことは好きではありません。
好きな食べ物は、甘いもの、アイスクリーム、半熟卵、パン。消化不良の時に、土など食べたくなります。
嫌いな食べ物は、肉類や乳製品(牛乳は特にダメ)、脂肪分、煮物、とろみのあるものがダメです。タイプ的に、ぷよぷよと太っていて、色白で、汗っかきです。
・Lach.(ラカシス):消化不良が、二日酔いや更年期で起こるときに使用します。みぞおちの辺りに、けいれん用の痛みを感じ、触ると症状が悪化します。タイプとして嫉妬心が強く、他人に対して不信感を抱きやすい性格です。
・Lyc.(ライコポディウム):消化不良が、夜の食事、ガスが出る食べ物の摂取後、何か良くないことが起きるのではという漠然とした不安(予期不安)であるときに起こります。
胃がいつも弱く、ガスがたまりやすく、そのため、おくびやおならが多く、胸焼けをよく起こします。おくびやおならを出すことができると楽になる傾向があります。食欲はあるにも関わらず、少し食べただけで体調が悪化し、お腹がゴロゴロなってしまう傾向もあります。
・Nux-v.(ナックスボミカ):消化不良が、脂っこいものや刺激の強いものの食べ過ぎ、薬の飲み過ぎそして、怒りやイライラという感情でも起こります。
食べ物が、胃の中にまるで石があるように重苦しく感じます。冷たい飲食物で悪化するため、食べた後や寒さで胃の調子が悪くなります。
逆に体を温め、温かい飲み物を飲むことで体調が良くなります。食べ過ぎてしゃっくりが出ることもあります。吐き気があるときは、吐くと楽になります。二日酔いにもあいます。
・Puls.(ポースティーラ):消化不良は、脂肪分を摂った時(お菓子やアイスクリームなど)、特によく起こります。症状は食事後2時間位で始まり、胃が重く感じるやみぞおちが重苦しく感じたりします。
暖かい部屋で調子が悪くなり、新鮮な空気を吸いたくなります。喉は渇きません。性格は多少気分屋ですが、穏やかで優しいです。
・Sep.(シーピア):消化不良は、日常のストレスでも起こります。疲れていてエネルギーがなく胃が重いです。みぞおちに空虚感がありますがそれは食事をしても変わりません。胃下垂の傾向もあります。食べ物を見たり匂いを嗅いだりすると胃の不調が悪化します。
・Sulph.(ソーファー):朝、口の中に苦みを感じます。唇は乾燥して赤くなります。午前11時頃に胃の虚脱感と空腹感を感じ、倒れそうな気持になります。喉が渇き水を飲みたいと感じます。
いかがですか。胃もたれなどの不具合についても、症状による体のサインを知り気づいたタイミングで、まずは、その対応策を日常生活の中に取り入れていくことで解決できる場合は意外と多いです。しかし、それでも胃もたれが改善しないときには、レメディを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。同じ症状を持つレメディを摂り、体が本来持っている治る力を高め、症状が改善するという体験を重ねて、是非、自分自身の体に対しての信頼感を深めていただけると嬉しいです。