生活習慣病の改善をサポートする保健師でホメオパスの清瀧です。
むち打ち症って本当に辛いですよね。今回は、私自身そのむち打ち症を患い困り果てたとき運よく出会えた解決法についてのお話です。
交通事故後の後遺症
ドイツでの暮らしも5年目に入ったある日のことです。
駐車場から住宅街の私道に車の頭をのぞかせたその時、バック発進した車がものすごい勢いで、私の車に衝突しました。
日本でも経験がなく、ましてや異国の地での交通事故は、肉体的よりも精神的なダメージの方が大きく、フロントガラスの破損で負ったかすり傷すら事故直後は、さほど気になりませんでした。
しかし数日後、これがいわゆるむち打ち症なのか…と思われる辛い症状で、私は悩まされることになったのです。
幸い頚椎の損傷などの大きなケガには至らず、また頚椎などの歪みによる痺れ等の症状は発生しませんでした。
でも、後頭部には何とも我慢できない重だるい痛みが起こり、起きて首を支えることもできません。
しかもこの症状は、痛み止めの薬を飲んでも炎症を抑える湿布を貼っても、少し和らぐことはあっても、薬が切れるとすぐに痛みや不快感がぶり返してしまいます。
これらの不快な症状で日常生活を営むことすら苦痛になってしまい、口コミで定評のある理学療法士の先生のところで治療を受けることにしました。
そこで温熱療法や、首の牽引療法などその他いろいろ試みましたが、その場は少し落ち着くものの、今一つ改善の兆しは見られません。
先生に勧められた解決策
そんなある日、理学療法士の先生から、「ホメオパシー療法って聞いたことある?試してみる?」と言われました。
日本では保健師として働いていた私ですが、ホメオパシー療法なんて名前すら知りません。でもこの辛さから解放されるなら…という気持ちで試してみることにしたのです。
先生から手渡されたものは、アーニカ(Arnica)という名のレメディでした。
レメディとは、患者にみられる症状と同じ症状を引き起こす物質を薄めて叩いて安全に簡単にして私たちが摂れるようにしたもので、西洋医学でいうところの薬のようなものでした。
それを朝晩口の中で溶かす、ただそれだけを2週間繰り返しました。
よく知らない治療法を試すため不安な気持ちもありました。
でも、日本で一般的な治療法(西洋医学的なアプローチ)を試しても効果がなく、他に何の対処法がわからず、藁にもすがる思いでそのレメディなるものをとり続けました。
すると私のむち打ちの症状は、まるで何事もなかったかのように消えてしまったのです。
とても衝撃的な出来事でした。本当に驚きました。
が、西洋医学を学んだ私の持つ医学知識では全く理解できませんでした。
何故レメディを摂るだけで痛みが消えるのか?!一体私の体に何が起こったのか?
その理由が知りたくて、私はその後5年間ホメオパシーの専門学校に通ってしまった位です。
因みに、アーニカとはウサギギクという名のキク科の植物です。この植物自体は、昔からヨーロッパでは、外傷の万能薬として使用されています。
日本でも試せるドイツ発祥の療法とは
ホメオパシー療法は、今から200年以上前にサミュエル・ハーネマンというドイツ人医師によって確立されました。
患者に起こっている症状と同じ症状を引き起こす物質を希釈して患者に与えることで、自己治癒力を刺激し治癒に導く治療法です。
ハーネマンは、生きた人体での臨床経験を積み重ねてこのホメオパシーの基本原理を確立しました。
日本では、マイナーなホメオパシーですが、ヨーロッパでは1億人以上の人がホメオパシーをしています。
ドイツでは、医師や助産師15%以上が活用しており、当時私が住んでいた町でも薬局で薬同様にレメディが当たり前のように売られていました。
イギリスでは国会で「最も安全な治療法」認められ、イギリスの王室の主治医はホメオパス(ホメオパシーの専門家)。王室では日常の健康管理にホメオパシーを利用しています。
またインドではマハトマ・ガンジーが、ヨーロッパからこれを取り入れ、西洋医学と同様第一医学という位置づけで用いられています。
そしてキューバでは、感染症対策に国を挙げてホメオパシーを利用し成果を上げています。
ホメオパシーはこのように世界中で活用されており、その有効性を証明する論文も数多く発表されています。
またスポーツの世界でも、ホメオパシーは活用されています。
スポーツ選手では、オリンピック金メダリスト100m走ウサイン・ボルトも使っていますし、アルゼンチンのサッカー選手アルゼンチンのメッシやイギリスのベッカムなども病気や怪我の治療に利用しています。
特に怪我に関しては、負傷直後に利用した場合、その作用を実感しやすいように感じます。またレメディーは薬と異なり、副作用やドーピングの心配もありません。
むち打ち症に効果的なレメディ
ここでアーニカを含む、むち打ち症の症状に合うレメディをいくつかご紹介しましょう。
○事故やケガのNo1.レメディ
○筋肉・靭帯など首の損傷全般
○事故後の後遺症的なめまいや精神的ショック、落ち込み、トラウマ
○触られることが嫌(ケガをしても大丈夫と言って触らせない人)な傾向
○外気にあたると楽になる
Calc-f.カルクフロアー(フッ化カルシウム)
○靭帯・筋肉・関節・腱の緊張と過伸展による疾患
○頚椎の捻挫が慢性化し、頚椎の靭帯も伸びてしまっている
○天候の変化で調子が悪くなる
○動作や温めることで楽になる
○首の痛みが腕迄来るような首の損傷後の上腕神経痛や頚部の神経痛がある
○身体を動かしたり、運動すると調子が悪くなる
○圧迫すると楽になる
Caust.コースティカム(水酸化カリウム)
○首の周りの筋肉が硬直・収縮してしまっている
○首が片側に傾いている
○筋肉に焼けるような感覚がある
○隙間風にあたると調子が悪い
○首の損傷後の上腕神経痛に代表されるような脊髄や神経根を痛めている
○痛みが神経に沿って広がる
○患部が痛みに敏感になっていて辛い
○事故や怪我以来、性格が変わってしまう(うつや落ち込み等)
○ケガやショックなことが起こると調子が悪くなる
○静かにうつぶせで横たわると楽になる
○筋肉や神経の痛み
○鋭く走る痛み
○夜に調子が悪くなる
○患部を圧迫すると楽になる
○首の損傷で筋肉・筋膜・腱・靭帯を痛めている
○首や肩が痛みこわばる
○筋肉のこわばりが雨が降ったり、寒くなったりするとひどくなる
○温めたり適度な運動をすると楽になる
○頚椎捻挫や脱臼、頚部の硬直
○頚椎がずれて頚椎の靭帯を痛めた場合
○骨を痛めると調子が悪い
○あおむけに寝ることで楽なる
経験に勝るものはなし
私にホメオパシーを勧めてくれた先生の専門は理学療法でしたが、理学療法で効果が見られなかった時、理学療法とは全く異なる対処法を私に提案してくれました。
そのおかげで私は、このまま慢性症状になりかねなかったむち打ち症から回復することができたのです。
私も、こんな状況でなければ、よく知らないこの療法を試すのも躊躇したように思います。
でも、なんでもいいから早く症状を取り除きたかったこと、親身になってくれた医療の専門家に勧めてもらったことが、使ってみようと決断した動機付けになりました。
そして事実、実際にむち打ちの症状を、すっかり改善することができたのです。
ダメ元で試してみて本当に良かった!!
まさに「経験に勝るものはない」を実感できた体験でした。先生には本当に感謝の気持ちで一杯です。
そして今まで西洋医学以外の解決法に目を向けなかったことが、いかに勿体なく残念なことであったかにも気づくことができました。
今回、交通事故のむち打ち症を通して、運よくホメオパシー療法を試す機会に恵まれ辛い症状も改善しました。
もし、むち打ち症で悩んでいて症状を一刻でも早く改善したい、そのためなら何でも試してみたい、そう思われる方に私はこのホメオパシー療法を対処法の一つとして検討することをお勧めします。
ホメオパシー療法の使い方をご存じであれば、ご自分で試してみてもよいでしょう。
この療法をご存じない方、または既に長い期間、むち打ち症を患われている方は、まずはプロのホメオパス(ホメオパシーの専門家)に相談することをお勧めします。
きちんと治療を受けているにも関わらず、むち打ち症の症状で悩んでいる方々が、一日も早く辛い症状から解放され健やかな日々を取り戻せますように。