こんにちは。ホメオパスでホリスティックドゥーラⓇの大田原恵です。
早いもので今年ももう5月に入りました。4月に新年度を迎え、入学、就職、引っ越しなど新しい環境で生活しはじめた人も多いですよね。緊張しながら過ごしていた日々から少し慣れてきた今頃になると、どっとお疲れを感じている人もいるかもしれません。
あんなにやる気満々で迎えた春だったのに。落ち込んだり、朝起きられなくなったり、よく分からない不調が続いたり。これってもしかして五月病?と思われている方。または、ご家族にそのような様子が見られるようでしたらぜひお読みください。
“五月病” というラベル
毎年この時期話題になる“五月病”ですが、医学的に五月病という病名はないのです。と言ったら驚くでしょうか?ちょっとググってみましたら海外にも五月病というモノはないんですね。
日本は4月から新年度がスタートし環境が大きく変化する時期です。ですから5月になるとお疲れの症状が出やすいため、つけられた名前のようです。ちなみにアメリカだと新学期のスタートは9月が多いので10月病ということになりますか。
もし仮に病気として診断名をつけるとしたら“適応障害”や“うつ病”と言われるでしょう。
Wikipediaにはこのように書いてありました。
五月病(ごがつびょう)とは、新人社員や大学の新入生、社会人や中高生や小学生などに見られる、新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称である。うつ病に似た症状がしばしば5月のゴールデンウィーク明け頃から起こることが多いためこの名称がある。
精神的な症状の多くは気分の落ち込み、人に会いたくない、不安がつのる、やる気がでない、イライラするなど色々ありますが、心と身体は表裏一体です。身体の方にも何らかの症状が現れたりします。
例えば、眠れない、食欲がない、朝起きられない、だるい、疲れやすい、めまいがする等々。
そして某医師会のホームページにはこんな事が書かれていました。
五月病は放っておくと本格的なうつ病に進んでしまうこともあります。早めに心療内科や精神科で相談するようにしましょう。
先ほども書きましたが五月病という病名は医学的に存在しないのです。でも、もし病院に行ってお医者さんから“五月病”の疑いをかけられたらどうですか?
「あぁ、自分は病気だったのか。」と、思ってしまう人がほとんどではないでしょうか。
つまり、〇〇病のラベルをつけられることで、病人にされていませんか?
その後は「放っておくと本格的なうつ病に進んでしまいますから・・・。」となって、何らかの薬をもらって帰るというのが一般的なパターンのようです。
最近多い不登校問題(起立性調節障害、HSCなど)
私の子ども時代とは明らかに違う現代の子どもたちを取り巻く環境は、枠やルールに縛られていて、大人並の、場合によっては大人以上のストレス社会で生きているように見えてしまいます。
SNSの普及によって、子どもたち同士の人間関係も複雑化しています。また、ここ数年のコロナ禍も大きなストレスを与えました。
最近ホメオパシーのご相談では、お子さんの不登校の問題が増えてきています。
不登校になった理由やきっかけは様々ですが、自律神経の乱れによるめまい、頭痛、倦怠感などによって学校に行けなくなった起立性調節障害の学生さんや
生まれつき敏感で些細なことが気になってしまうHSC(Highly Sensitive Childハイリー・センシティブ・チャイルド)と言われるお子さんのケースなどをよく目にするようになりました。
ちなみに起立性調節障害は“自律神経の病気”と言う定義ですが、HSCは病気ではなく“元々その子が持っている気質”です。(ここでも新たなラベルがつけられていますね)
いずれにしても、生きづらさを抱えた子どもたちが増えているのは悲しいことです。
子どもだって燃え尽き症候群
幸福度の低い日本の子どもたち
燃え尽き症候群というと、むかしは仕事に没頭し続けたサラリーマンが、定年後にやることが無くなり急にぼんやしてしまったり、子育てが終ったお母さんが、ほっとして燃え尽きてしまったかのような状態になることを指していました。
しかし今は違います。受験のために頑張って目標を達成し、せっかく希望の学校に入れたのに、パタッとエネルギーが切れてしまい、うつ病のような症状を引き起こすお子さんがいます。これも燃え尽き症候群と同じです。(同じくラベルの1つですね)
2022年の日本の子どもの自殺率は過去最多を更新してしまいました。
ユニセフが2020年に公表した先進国の子どもの幸福度に関する報告書によると、日本の子どもたちの精神的幸福度は38カ国中37位だそうです。
ちなみに上位に名前があがっている国は1位がオランダです。以下メキシコ、ルーマニア、フィンランド、クロアチア、スイスと続きます。
幸せの価値観はそれぞれ違いますが、オランダの子どもたちが自己肯定感が高いのは、家族と過ごす時間や、個人を尊重することを大切に考える習慣がカギとなっているといわれています。
日本は住みやすく安全で食文化も充実していて、個人的にはすごくいい国だと思っているのですが、子どもたちが笑顔を失ってしまう社会なのはとても残念です。それ以前に、日本の大人たちが幸福感を味わい、人生を楽しんでいるのか?それも問われている気がしています。
五月病は薬で治りますか?
五月病に特効薬があるとしたらとっくに販売されていると思うのですが、無いことが答えですよね。これさえあれば治る!といった特効薬は作れないといった方がいいかもしれません。問題は1つだけではなく、複雑に絡み合っているのですから。
ところで、日本は子どもの医療費無料を掲げる自治体が多いですが、最近は対象年齢を18才まで拡大させる所も増えていきています。これは親御さんにとっては歓迎されることかもしれません。しかし少し考えていただきたい問題も出てきています。
思春期の子どもは特に、心と身体の成長によるアンバランスさがあります。そういった子どもたちに五月病のような症状があったとしたら、どうしますか?
内科?小児科?精神科に行くのは抵抗があるけれど、心療内科なら行ってみようかと思いますか?カウンセリングで話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなって前向きになれるそうです。
しかし、現代医療の治療法はやはり薬剤がメインですよね。
眠れない時の睡眠導入剤、うつっぽいのであれば抗うつ剤など「これで少し楽になりますよ。」と言われたら、すがるような心境になるものです。
ほんの少しのつもりが・・・手放せなくなる薬の依存性
ここで忘れがちなのが副作用の問題です。薬には必ず副作用がありますが、この点について、日本はあまり丁寧な説明をされない印象があります。又、患者側もあまり気にせず聞き流しているかもしれません。
しかし、ほんの少しのつもりで使いはじめた睡眠導入剤や抗うつ剤に、その後何十年も依存するケースが実に多いのです。言ってみれば中毒化ともいえる現象です。
それってつまり、本来の目的であるはずの病気の治療としては、上手くいってないことになると思うんですけれど。
ホメオパシーの健康相談においても、薬を手放せない中毒症的な方がとても多く見受けられます。
皆さんにお話を伺うと「本当は薬を飲みたくない。止めたい。飲んでも変わらない。飲んだ一瞬は気分がよくなるけどその後がかえって辛い。」とおっしゃるのです。
しかし完全に止めてしまったら、今の生活のQOL(生活の質)が落ちてしまうのではないかという不安や恐怖から、薬ナシ生活へ抜け出したいのに抜け出せない。というジレンマのご相談がひじょうに多いのです。
当然ですが薬の使用歴が長ければ長いほど、断ち切るのにも時間がかかります。いわゆる覚醒剤などの薬物と同じです。
ですから、子どものうちから簡単に手を出してしまうと、抜け出せない巨大迷路に迷い込む可能性が高くなり、思い描いていた未来の姿も変わってしまうかもしれません。
実際に、精神科に入院したことがあるお子さんのご家族の相談をいくつか受けたことがあります。その時はそれしか方法がなく仕方なかったとは言え、ご本人にとっても親御さんにとっても、今となっては後悔と切なさを感じてしまうようなお話しでした。
ここは慎重に考えていただきたいところです。
遠回りのようで実は近道。自然療法が選ばれる理由
薬を使った対処療法とは違って、土台からしっかり作り直すのが自然療法であるホメオパシーのアプローチです。
例えば、ドーパミンと呼ばれる脳内物質は快楽ホルモンとも呼ばれますが、過剰に出過ぎると依存症を招きます。お酒、タバコ、ゲーム、薬なども、一時的な快楽は得られますが、無くなればまた欲しくなり、もっと、もっと、と、中毒化していきます。
レメディーは薬のような副作用の心配がなく、子どもから大人まで誰でもとることが出来ますし、依存性もありません。日常生活のセルフケアとして取り入れれば、さらに安心して毎日が送れます。
またホメオパシーのいいところは、症状によってレメディーを選択するので、病名も必要ありません。五月病でも六月病でも原因不明でもかまわないのです。
ただし、今飲んでいる薬の代わりにレメディーを取っているだけでは、上手くいきません。その人の生活習慣、考え方の癖など、生き方そのものを見直す必要性があります。
薬がしてくれることは一時的な避難場所の提供です。もちろんそれも時には必要でしょう。
薬は一切ダメだといっているのではなく、問題は使い方です。
強制的に治そうとするものは、その反動も強くなります。短期的に症状を抑えることは出来ても、また揺り戻されてしまうので、結局は治るまでの道のりが遠回りになってしまいます。
一時的な避難ではなく、一歩一歩確実に元の居場所へ戻っていくような自然のリズムに寄り添いながらすすんでいくことが、治癒への近道となるのです。
心と身体の声をゆっくり聞いてみる
東洋医学の世界からみると春に関連する臓器は肝臓です。ストレスを感じやすい時期なので肝臓に負担がかかりやすくなります。肝臓は怒りの臓器でもありますが、デトックスの臓器とも言われます。肝臓に手をあててねぎらいましょう。
そして自分の心と身体の声を聞きながら、いちばん基本的なところをととのえましょう。
食事や睡眠はもちろんですが、何事もあせらず急がないことです。
現代人はいつも時間に追われています。スケジュール通りに物事を進めようとして、何か1つでもつまづいてしまうと、それだけでストレスを感じ自分を責めます。
ルールを決めすぎず、完璧主義をやめましょう。人と比べる必要もありません。
出来ない自分に罰を与えるようなことはしなくていいのです。
誰もが不完全。誰もが未熟。誰もが発展途上です。
深呼吸をして木々の香りや風や太陽を感じる時間を増やしましょう。
「自然から遠のくことが病気をつくるのだ」と、医学の父ヒポクラテスは言っています。
なんとなくだるい、やる気がでない、落ち込む、朝起きられないなど、五月病と思われる方の健康相談を行っています。
Home | 日本ホメオパシーセンター所沢・下山口 (soleil-homeo.com)