ホメオパスになって10年以上経ちますが アロマセラピストの経歴はそれより長くかれこれ20年以上が過ぎました。
現在も埼玉県所沢市の産婦人科で産後のママや妊婦さん、婦人科で手術を受ける患者さんなど、幅広い年代の女性にアロマトリートメントの施術をさせていただいています。
また過去には、都内にある不妊治療専門のクリニックでもアロマセラピストとしてお手伝いしていました。人気のあるクリニックでしたので遠方からも沢山患者さんが来られて、週末は待合室がとても混んでいたことを覚えています。
病院というただでさえ緊張する場所で、しかもセンシティブなパートですから、香りとタッチングのリラクゼーションはとても喜ばれました。
しかしセラピストとして直接患者さんに触れて気づいたのは、不妊治療のためのお薬による身体への影響です。 ガチガチにこっていてしなやかさがなかったり、ふにゃふにゃした芯のない浮腫のあるような状態だったり。健康的とは言いにくい印象でした。
しかも仕事の合間をぬって通院している患者さんが、処置が終ると再び職場に戻る。なんていう話を聞くと、こんなハードスケジュールの中で妊娠したとして・・・大丈夫なのかしら?と心配にもなりました。 不妊治療による心身の負担は想像以上のものがあるとわかりました。
少子化と新型コロナ
・2019年 86万5234人(コロナ前)
・2020年 84万835人
・2021年 81万1604人 ※厚生労働省資料より
資料には毎年「過去最低出生率を更新している」と書かれていますが、来年度の統計ではもっと深刻な数字なると懸念しています。
当初マスメディアは未知のウィルスであると不安を煽る報道ばかりでした。
それまで妊活中だった人も、これから妊活したい人にとっても今はちょっと・・・と立ち止まってしまっても無理はありません。
コミュニケーションや触れ合いも薄くなり、こんな不安な世の中で子どもを産み育てるなんて子どもがかわいそう。と、妊活を諦めた人もいるかもしれませんよね。
そもそも不妊の問題は複雑です。女性だけでなく男性側の問題もあるわけで、各々が肉体的精神的ストレスを抱えながらも、協力していかなければ前に進むことができません。
余談ですが 福祉国家で名高いスウェーデンは、出産費用はもちろん不妊治療も無料という話を聞きました。
国がそこまで手厚くしてくれるなんて素晴らしいですね。
日本も不妊治療に対する助成金が一部出されるようになりましたが、もっと踏み込んだ手当てをしていかないと明るい未来のイメージは湧いてこない気がします。
私たちはウィルスと共存している
話は戻りますが、コロナ禍で私たちは除菌、殺菌、消毒が日々のルーティンのようになってしまいました。お店に入るときも、仕事場でも、家でも。日に何度もアルコールを散布してきました。
しかし私たちは元々ウィルスと共に生きてきたのです。 人間の体内のほとんどにウィルスは存在すると言われています。
赤ちゃんがお母さんのお腹から生まれてくるときにも、産道を通過しながらそこにある菌を身体にまといこの世に生まれ出てきます。それは今までと違った世界で生き抜いていけるように“自己免疫力”という服をまとうようなものです。
そして昔から、はしかや水疱瘡など子どものかかる病気が存在するのは、かかることで免疫力を獲得し丈夫な身体を作るための自然界のシステムです。
人間の身体というのは大変うまく出来ています。ですから、ウィルスをやたら怖がったり排除するのではなく、人が生きていくためにはWithコロナしか道はないのです。
まして女性には妊娠できるタイムリミットがあります。 もちろんパートナーと将来について十分に話し合うことは大切ですが、年齢によっては先送りすることで厳しい現実を突きつけられるかもしれません。
あれこれ心配したところで、基本的な人間の営みは変わらずこれからもずっと続いていきます。
正体がよくわからなかったウィルスも、もともとは風邪の一種であり、私たちとはすでに馴染みがあったことも明らかになりました。ですから、今回のウィルス騒動だけでなく、先々を心配して妊活を諦める必要はないですよね。
想い描く家族像を実現させていきましょう。
妊娠や出産は頭で考える問題ではありません。人間の本能がはたらくことがいちばんに求められます。 あとは赤ちゃん側の都合とタイミングです。(空の上から自分のお父さんやお母さんになる人を見ているという説がありますね)
いずれにしても 、妊活をしたい気持ちが少しでもあればまず土台をととのえ妊娠力の高い身体を目指すことからはじめてみましょう。
食事と冷えとストレスと腸活
妊活に大切だと言われるのが ①食事②冷えの改善③ストレスマネージメント。ですが、あまりストイックになり過ぎると苦しくなってしまいます。
あれもこれもしなければ・・・
というこだわりをなるべく捨て、ゆるっと楽しみながら 自分が気持ちの良いことや 自分と身体が喜んでいると感じることを中心にしていくと自然と調和が生まれてきます。
食事に関して言えば、たんぱく質、鉄、亜鉛など特に意識してとることを心がける栄養素です。 葉酸、鉄、カルシウム等々サプリメントもよく目にしますがなるべく食事からとることをおすすめします。
私たちの身体は食べるもので出来ている。と言われているように、食べ物がその人自身をあらわします。妊娠前から食について少しでも知っておくと、子どもが生まれてからの食育や家族の健康を守るためにも活かされます。
また、不妊で悩む方の特徴には「冷え」がありますが、昔から冷えは万病のもと。と言われてきました。 冷たいものはなるべく取らない 。身体を温める。というのは基本ですが、食べ物についても気を配ってみてください。
例えば甘いもの。とくにお砂糖は身体を冷やします。一般的にフルーツは身体にいいと言われますが、薬膳ではバナナは身体を冷やす果物です。 一方、桃は身体を温める作用があります。薬膳の世界も勉強してみるととても面白いですよ。
冷えに繋がる要因としては、甘い物以外にも添加物や薬、ワクチンなども関係があるといわれています。血液を綺麗にすることを意識してみてください。
それには腸をととのえることが大切です。コロナ禍でも話題になりましたが腸活=免疫アップに繋がります。
綺麗な温かい血液を作るのには腸が重要な役割を担っています。お米、サツマイモ、水だけあれば家で作ることができる自家製乳酸飲料ミキは腸活にピッタリで便秘やお肌のキメもととのえてくれるのでお薦めです。
またよもぎ蒸しはむかしから身体を温め老廃物を排出する温活として良いと言われています。
サウナのような息苦しさがなく、かいた汗がさらさらして終わった後とてもスッキリします。 腰回りだけでなく全身の循環が良くなり質のよい睡眠も得られます。
ホメオパシー的妊活サポート
では、ホメオパシー的妊活サポートとしてはどんな事ができるでしょうか?
ホメオパシーは滞っている自己治癒力のスイッチをいれ自分で自分を健康にする自然療法です。
そしてベースにあるのはホリスティックな考え方です。 例えば生理不順という問題があったとしたら、子宮や卵巣という部位だけを見るのではなく、心の面もみていきます。
妊娠や出産に対してある種の恐怖を感じているのならその恐怖に対して。不安ならば不安に対してレメディーを選びます。心と身体を切り離さずにトータルでみていくのが特徴です。
もし新型コロナウィルスに感染しその後の不調が長引いている人や、ワクチンによる後遺症のような症状があったとしたら、妊活前に一度ホメオパシーの健康相談をされることをお薦めします。
ここでは妊娠力をあげるために役立つレメディーやマザーチンクチャー、ティッシュソルト(生命組織塩)、食に関してのアドバイスを一部ご紹介しますので参考にしてみてください。
●冷えや血液循環のお手あてにマザーチンクチャー
エキネシア(ムラサキバレンギク)
アートメジア(ヨモギ)
マザーチンクチャーは植物の成分をアルコールで抽出したハーブエキスで、血液を綺麗にしてめぐりを良くする植物の恵みです。これまで長い期間何らかの薬剤を服用してきた場合、それも冷えの原因の1つかもしれません。肝臓、腎臓などデトックスの臓器のサポートも忘れずにしましょう。
食品ではスパイス類が身体を温めますのでカレーは妊活にすごく優秀な食べ物なんです。ショウガ、ネギ、紫蘇、ニラ、シナモンなどはあたためる作用があります。よもぎ蒸しもぜひ試してみてください。
●生理のリズムをととのえるレメディー
Puls.ポースティーラ(セイヨウオキナグサ)
Sabin.サビーナ(サビナビャクシン)
生理の周期が不安定、生理痛が酷い、経血と一緒に塊が出るなど、自分の状態を観察しましょう。生理前の方がイライラするとか、生理中の方が調子が悪い、不育症(習慣性流産)といった問題がある、などそれぞれレメディーの選択が異なってきます。
女性は生理と精神状態がとてもリンクしますのでメンタルのケアも大切です。
●貧血に良いティッシュソルト(生命組織塩)
Ferr-p.ファーランフォス(リン化鉄)
Cupr. キュープロム(銅)
ティッシュソルト(生命組織塩)は人間の身体に必要なミネラルです。カルシウム、カリウム、ナトリウム、リンなど様々あります。一般的に貧血がひどい場合は鉄剤が処方されますが、鉄剤を取ることによって便秘になり、便を出しやすくするためにマグネシウム剤を出されるのがお決まりのコースです。そう考えるとクスリは数値をあげることは出来ますが身体にとってはどうなのでしょうか?
また鉄を沢山取ると、女性らしい身体が鉄のように堅く男性的な身体に仕上がっていきます。なるべく食事でコントロールしてみましょう。
そして黒い食べ物は血を増やすといわれています。黒ごま、黒豆、黒米、黒キクラゲ、ひじきなど。おやつにはナツメがお薦めです。鉄分が多いネトルはクセがなく飲みやすいハーブティーです。
●ストレスマネージメントのレメデイー
Kali-p. ケーライフォス(リン酸カリウム)
Passi. パッシフローラ(トケイソウ)
自律神経の緊張が続いているとあれこれ考えて眠れなくなってしまう人がいます。そんな人は肝臓にも負担がかかっていることが多いようです。
肝臓は怒りの臓器ともいわれますが怒りを我慢しすぎても、怒りを出し過ぎてもバランスが崩れていきます。リラックスできる環境づくりにはアロマテラピーなどの香りもプラスしてみてください。
また東洋医学では腎臓はエネルギーの源といわれています。腎の気が弱いと疲れやすかったり、免疫力が落ちたり生殖能力にも関係しますので、気を補うことも大切です。
そして時には自身が本当に妊娠を望んでいるのか、自分に向き合い問いかけてみることも必要だったりします。
最後は神のみぞ知る領域です。 流れにまかせて時を待ちましょう。