自然療法家としての働く意義は?
自然療法家が仕事としていくためにはどのようなことが必要でしょうか?
そんな風に考えている人も少なくありません。
「ビジネス」という言葉自体に違和感や拒絶感を持っている人もいたりします。
まずは日本人として耳馴染みのある「商売」と比較してみて
まずは起業家の立場として自分の働く意義を考えてみて
情報はすぐに価値が下がる時代だからこそ経験に基づいた情報、点と点を結びつけた情報を
ビジネスと商売
英語では仕事のことを「ビジネス」と表現しますよね。
日本語で言うと思いつく近い単語は「商売」になると思います。
・ビジネス=個人的な感情を交えずに利益の追求のみを目的として進める仕事
・商売=商品を仕入れて売ること。課せられている任務。職業。専門の仕事
この二つを辞書で調べてみるとこのように記載されています。
個人的な感情を交えず…
たしかにビジネスは何か厳しい雰囲気を感じますね。
そしてそれこそがあなたが自然療法家として立つにあたって、阻害している理由のひとつではないでしょうか?
一方で、商売は必ずしも「利益」を追求しなければならないというよりは、むしろ任務であると書かれています。
自然療法家としてのスタンス
自然療法家という健康のみならず、生き方にまで関わっていく職業はまさに一生関わっていくべき任務かもしれませんね。
日本の三大商人と呼ばれる「近江商人の哲学」にはこのような言葉があります。
利真於勤(利は勤むるにおいて真なり)
これは、利益はその任務に懸命に努力した結果に対するあくまで「おこぼれ」に過ぎないという考え方であり営利至上主義に対する諌めをしています。
個人的な感情を交えずに利益の追求のみを目的として進める「ビジネス」。
課せられた任務をこなし、そこから「適切なおこぼれ」を貰う「商売」。
本来日本人にとって働くことは「やりがい」や「生きがい」だったはずなので、必ずしも「働くこと」の目的は利益の追求ではありませんでした。
働く=側(はた)を楽にする
こんな語源があるくらいですから誰かのために何かしたいというのが日本人の根源にある思想なのかもしれませんね。
しかし、日本とは違って働くことが「罰」である欧米的な労働観では労働から解放されるために必死で「利益」を追求しようとしてきた印象があります。
自然療法家であるあなたはそれを意識的、無意識的に違和感を感じているのではないでしょうか?
ただ、すぐ近くの人を楽にしてあげることが、そのおこぼれをもらうことがあなたが自然療法家として立つ大きな一歩になると思っています。
三方よし
これはさすがに聞いたことありますよね?
自分だけじゃなく相手(クライアントさん)にも、そして周りの人のためにもなっているというのが自然療法家としての働き方かもしれません。
さらに、もう1つ近江商人の哲学をシェアしますね。
商いは牛の涎(よだれ)のごとく
利益を高く設定するより薄く広いほうが長く商売ができるという意味で使われる言葉です。
一方で『安売りもダメ』です。
あくまで価値を感じてもらえるように工夫をした上で儲けすぎないように長く付き合っていく方法を考えるということです。
この辺が商売の難しいところでもあり面白いところですね。
自然療法家という健康に携わる仕事は公共性も高いですし長い期間をかけてお客さんとお付き合いしていくことになります。
そのためにも短期間での関わりだけでなく、時間をかけて寄り添っていける働き方と仕事をして頂きたいと思います。
ビジネス的要素をどう取り入れるか?
もちろん、ビジネスにもいい面はあります。
ここではwebを使ったマーケティングやセールスやコピーライティングなどを指す言葉として使いたいと思います。
欧米で研究され確立されたものなので、横文字(カタカナ)が並ぶこともあり苦手意識を持つかもしれませんが、心理的なテクニックなども使いながら比較的短期でどうしたら大きな利益を生み出すかを考えることにはとても優れています。
誰に向けたものなのか?どんな悩みを解決するのか?その人は本当に困っているのか?
そして思わず目を止めてしまう見出しを考える、欲しいと思ってしまう心理的な要因など。
この辺は「自分の知識や技術を深める」という使う頭と全く違う部分を使いますよね。
なんか苦手!頭から湯気が出てしまいそう!という人はビジネスや商売という言葉は関係なく、何のために仕事にするのか明確になっていない可能性があります。
何となく仕事をしている人の元へはクライアントは集まりにくいので、そこが明確になっていない場合は、根本的なところから見直してもらえたらと思います。
インターネットを利用することで1対多数をお客さんにしていくことができます。
クライアントさんが来てくれる仕組みを作ったりするのはとても重要なことですので、HPをしっかり作って信頼感を与えると共に、定期的にお客さんに価値のある情報を提供していくことも自然療法家の重要な仕事と言えますね。
特にコロナ以降は国からもそういった仕組みを入れることに補助金や助成金が出たりしますので自分の持ち出しを限りなく減らしていくことができるわけです。
インターネット社会でこれから必要となる能力
あなたもご存知の通り情報はインターネット上に溢れています。
それゆえにどんどん「情報そのもの」の価値が下がるスピードはどんどん早まっていきます。
ということは、あなたがこれまで高いお金をかけて学んだ知識や情報はすでにweb上にあふれ、すでに陳腐化している可能性が高いのでは?と想像してみてください。
想像できましたか?
想像できたなら持っている情報を出し惜しみしていていいことはあまりありません。
なぜなら、その情報全てを出したとしても、ユーザーの頭には今度はこんな疑問が浮かんでくるからです。
点と点の情報をどうやって結びつけたらいいのか?
そもそもそれらの情報は本当に正しいのか?
その情報を自分に照らし合わせた時に具体的にどうやって使うのか?
自分でやるのは難しそうだから専門家にお願いした方がいいのかな?
出された情報(問題提起など)で自分の現状を変える必要があるということを知ってしまったら人は解決したくなるものです。
知らなかった時には何も意識していなかったのに、知ってしまったがために何としてもそれを解決したいと思った経験はあなたにもきっとあるはずです。
あなたがそうしたように自分自身にある問題を解決することにお客さんはお金出すことになるわけです。
だからこそ、出し惜しみせず定期的にたくさんの情報を厳選して届けてくれる人にはお客さんが集まり続けるのは当然ですよね。
情報過多の時代ですから、情報を調べ抜く力(検索力)、情報を精査する力(取捨選択力)、まとめたりそれぞれにあったものにカスタマイズする力(編集力)、フェイクニュースなどを見極める力(洞察力)もとても重要になってきますね。
そして本当に重要な情報は現時点でもインターネット上にはあがっていない(消されたりも含めて)、これから更にあがらなくなってくる可能性が高いことを認識していく必要があると思います。
ただ一つ言えること。
それは情報の価値は下がるかもしれませんが、(経験を踏まえた情報をもつ)あなた自身の価値は上がっていきます。
そして発信すればするほどあなた自身の価値が上がり、あなたが出してくれる情報にこそ価値が出てきます。
「情報」がメインであなたがサブではなく「あなた」がメインで情報はサブです。
残念ながら、今日明日という短い期間でその価値を上げるのは難しいです。だからこそ経験に裏付けされた情報を手に入れて、それを自分の外に出していくことが重要です。
入れたものを自分のフィルターを通して、より知ってほしい情報として発信してみてください。
ビジネスにならずに疲れてしまった人へ
最後に。
もしかしたらこれまでにビジネス系のコンサルやビジネススクールに通ったりした人もいるかもしれません。
そして言う通りに頑張って疲れ果てて…仕事をする気力がないなんていう人も珍しくありません。
慣れないことをして疲れるのはある程度仕方ないですが「気が合わない=エネルギーが違う」人から方法を学んでもうまくいかないことの方が実際多いのはこれまでの人生で経験済みだと思います。
頭=思考よりも心=感情を大切にする
こういったことも自然療法家としての大事なスタンスですよね。
だからもしリアルタイムで疲れを感じている人がいるなら少し考えてみてください。
自然療法のことを知らない、心のことや体のことに関心が低い人からやり方を教えてもらうよりも「この人は!」と思う、同業の治療家さんのマネから入った方がうまくいったりしますよ。
これからの長い自然療法家という仕事をしていくなら心地いい環境で、心地いい人と関わりを持ちながら経験値をあげていきましょう。
自然療法家は「商売人」という日本人らしさを残しつつ、一部は「ビジネスマン」の側面を持ち合わせたハイブリッド型になっていける可能性を秘めていると思っています。
目の前の人をどれだけ大切にするか?喜んでもらえるか?という商売の基本を大切にしつつ、多くの人に喜んでもらえるような仕組みも取り入れていきましょう。