自然の中、特に山を歩くと幸せになる。
わたしの山好きは、その一点に尽きる。
でも、どうして幸せになるのか?
実は、自然のなかでは、
わたしの経験も踏まえて、その理由を紹介したい。
視覚的要素
自然の景観や緑の風景はリラックス効果があり、
これは都市部に住んでいる人たちほど、実感しやすいと思う。
休日、緑の多い公園で過ごす人も多いのではないだろうか。
わたしなどは、群馬の田舎で育ったため、
子どもの頃は、毎日赤城山を見ながら、
自然の景色は、見るだけで心拍数や血圧を低下させる。
聴覚的要素
鳥のさえずりや風の音、水の流れなどの自然音は、
山を歩いていると、自分の足音の他に、渓流と風の音、
これらの音はリラックス状態を促し、
心地良い風に吹かれながら、穏やかな陽光に包まれ、
これは、まさに至福である。
フィトンチッド
森林の植物が放出するフィトンチッド。
フィトンチッドは免疫系を強化するだけでなく、
この揮発性物質によって、ストレスが減り、
森林や山は、植物や動物、
もし、どくだみ茶の風味を苦手とする人がいたら、
不思議なことに、あの独特の臭みが消えて、
わたしはこの経験から、
自然のなかに入ってしまえば、
やはり、自然は畏怖すべき対象なのだ。
自然光の効果
自然光を浴びると、セロトニンの分泌が促進される。
セロトニンは、気分を上げてくれる脳内の伝達物質だ。
山の中では、森林限界以上を除いて、
生い茂った葉っぱが、日光を和らげてくれるため、
下から見上げる葉の裏側は、
セロトニンは、適度な有酸素運動後にも放出される。
それは、日々のランニングでも幸せになれることを示している。
セロトニンはストレスを軽減する効果があるため、
身体活動
自然の中に入ったなら、ぜひ散歩やハイキングなど、
その点で、山歩きは最高の身体活動といえよう。
一度、山歩きの楽しさを覚えたら、
熊やヘビ、スズメバチなどの危険生物と遭遇するリスクや、
自然の中の身体活動は、エンドルフィンの分泌を促進する。
エンドルフィンは、「幸せホルモン」と呼ばれている。
ランナーズハイがあるのもエンドルフィンのおかげだ。
苦痛を和らげるという意味で、モルヒネと同じ働きをする。
エンドルフィンも、対ストレスに関して重要な働きをしている。
マインドフルネスと瞑想効果
自然の中は、マインドフルネスや瞑想をおこなうのに適している。
山歩きは、まさにマインドフルネス(歩行禅)だ。
石や木の根っ子につまづかないよう歩くことに集中する。
一歩一歩、単純で同じ動作を繰り返していくうちに、
頭の中がクリアになると、自然がより一層美しく感じられる。
ネイチャーフォトで、
一瞬目を疑うほどの美しさが表現されているが、
フォトグラファーが実際その場所に立ち、
そう解釈すると、あのように美しい作品になるのも納得できる。
マインドフルネスや瞑想は、心の平静を保つことができる。
自然の中で過ごす時間は、自分の心と向き合い易く、
また、大いなる自然に抱かれることで、
社会的要因の緩和
自然の中では、
これは物理的、心理的にも言えることだ。
普段の生活とは異なる自然環境に身を置くことで、
思考がシンプルになり、今に集中することができる。
ストレス因子から、
以上のように、これらの要因が複数組み合わさることで、ストレスホルモン(コルチゾール)が低下し、