鉄には意志、原動力、勇気という要素がある。しかしLyc.にはそれが足りない。これが胆嚢の弱さにつながっている。肝臓はもともと意志力をつかさどる臓器だが、Lyc.の弱点でもある。胆嚢は熱意、意気込み、勇気、主張性を生みだす臓器で、ここが弱まると自信喪失、引込み思案、過剰な二元性、対立が生まれる。
☆親和部位
肝臓。胆嚢。消化管。門脈系。泌尿器。男性生殖器。右側。皮膚。右側→左側。
☆精神
極端に自信がない。自尊心が低い。新しいことを始めるのが嫌。自信欠如を隠すための傲慢さと独裁的態度。内弁慶。無力感。自惚れ。思い上がり。朝目覚めたときの苛立ち。不満。不機嫌。責任から逃れたい。恐怖。好色。心配性。
☆症状と傾向
ガス溜まり。膨満。胃腸障害。甘味への欲求。明晰な頭脳と弱い筋力。夜中の空腹感。乾燥。すきま風に敏感。腎臓の弱り。白髪。抜け毛。腰痛。膝痛。寒気。頻尿。結石。蛋白尿。前立腺肥大。乾燥からのあかぎれ。かかとのひび割れ。暖かい部屋では悪化。または暖かい寝床で好転。体は冷たいが外気を切望。冷えることで悪化。または冷やすことで好転。食べるとすぐに腹いっぱいになる。または食欲旺盛で食べすぎることがある。
★基調
・悪化→きつい服。暖かさ。目覚める。食べ過ぎ。消化不良。食事を摂りそこねる。断食。こってりしたスパイシーな料理。午前3時〜4時。午後4時〜8時。一日のうちで肝気が高いときと低いときなど。
・好転→温かい飲食物。動作。げっぷ。排尿。冷たいものを当てるなど。
♤Lyc.の中医学的視点では、胆の陽気の不足と腎の精気や肝の陰虚不足がかかわってくる。これは上記内容と同じことをあらわしている。その影響から意志力の弱さ、勇気のなさ、臆病、驚きやすさ、めまい、目のかすみなどの症状があらわれる。ここに過労、加齢、過剰な房事、慢性的な怯えが加わることで腎の精気が落ち、さらに症状が悪化する。
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