運動部のなごりは怖いもので、中年になっても10代のような感覚に陥り、ついつい無理をしがちである。
まさにワタシがその代表で、肉体的に辛いほうが精神的にアグレッシブになるという、かなり面倒くさい性質をもつ。
先日、いつもの山域を歩いたが、登りになるとなぜかアクセルを踏み込んで、ハァハァ言いながら苦痛にあがらい優越感に浸る。
行程の3分の2を過ぎた頃。
石がゴロゴロした急坂を異常な速さで下るおばちゃんがいた。
カラン♪コロン♪と歩くたびにカウベルが鳴る。
こちらもけっこうな速さで降りているはずなのにカウベルの音はどんどん遠ざかる。
どんな歩き方してんの？？
確かめてみたい衝動に駆られる。
ワタシのエンジンが唸りを上げ、カウベルに追いつく準備は整った。
と、思いきやピタリとカウベルが鳴り止む。
ようやく追いつき、目視できるところまで接近すると、おばちゃんは何やら立ち止まってメモを取っている様子。
「こんにちは」と挨拶だけして抜き去る。
傾斜が緩んだところをテンポよく下りていくと、後ろからカウベルの音が迫ってくる。
カラン♪コロン♪ではなく……。
カラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロカラコロ……
凄まじい速さでカウベルの音が近づいてくる。
……！！
ワタシの頭の中は、もの凄い形相で前の男を追いかけるおばちゃんの顔。
アドレナリン爆発。
逃走本能に火がつく。
と、その瞬間「あっ！」と可愛らしい声。
振り向くとおばちゃんが尻もちをついている。
「大丈夫ですかー？」
声をかける。
「はい、大丈夫です」
返答があり、立ち上がったのを確認して立ち去る。
だよな…と内心ホッとする。
川を渡り、対面の山に取り付く。
急登を小刻みにリズム良く登る。
……。
…ラ、…ロ、…ラ、…ロ、…ラ、…ロ、…ラ、…ロ
……！
背筋に悪寒が走る。
明らかにワタシと同じ道を来ている。
ターボ全開！
またもや逃走本能に火がつき、排気口から火を吹く。
急登を全速力で駆け上がる。
カウベルの音が聴こえなくなってもスピードは緩めない。
なぜか鬼の形相のおばちゃんの手には包丁が握られているというあり得ないシチュエーションが頭をよぎる。
妄想全開で最後まで爆走。
ようやく民家が建ち並ぶアスファルトに下り立ち、妄想だったことに安堵を覚え同時に気恥ずかしさを覚える。
(そんなこんなで、ようやく本題。)
帰りの電車内から頭痛が起きる。
うーん、これはいつものやつ。
以前からよく晴れた日にハードな運動をすると頭痛が起きていた。
それはけっこう無理して体を酷使すると起きることが多い。
太陽に弱いNat-m.(ネイチュミュア)を摂ったが作用せず。
体液喪失で悪化するChin.(チャイナ)もノーリアクション。
側頭部、こめかみのちょっと上らへん。
ズキンズキンと拍動痛。
電車の中でBell.(ベラドンナ)摂る。
うとうとと居眠りをするも改善せず。
降りた駅のベンチでもう一度Bell.を摂る。
家に帰り着いてさらにBell.を摂る。
ほんの少し良くなるもリアクションが微妙。
偏頭痛のときの経験則からPhos.(フォスフォラス)を摂る。
うーん、今ひとつ。
ネットを漁ると「運動時頭痛」というものがあることを知る。
国際頭痛学会によれば、主に運動をしたあとに発症する頭痛を運動時頭痛と言い、20～50歳代の男性に好発し、ハードな筋トレや強度の高い持続性の運動をしたあとに起こりやすいのが特徴とのこと。
原因は脳血管の異常収縮。しかし、なぜ収縮が起こるのかわかっていない。血流が良くなることで起こるという説もあるとのこと。血圧が上がると胸腔内圧が上がる。すると頭の中の静脈の圧も上がる。そうして頭痛が起こりやすくなるらしい。
対策としては、運動前のストレッチやこまめな水分補給、運動負荷を軽くする、など。これを読む限りワタシの場合は、水分不足が一番の原因のような気もするし、ちょっとガンバり過ぎちゃったかなと思う節もある。
血圧と脳血管……。
心に引っかかる兄弟のような2つの単語。
つまり心臓と脳血管……！？
あ！
Lach.(ラカシス)だ！
よくよく考えるとワタシの母親は不整脈で手術をしていて、偏頭痛もち。
そして、ワタシも遺伝的傾向なのか不整脈と偏頭痛もちである。
寝る前にLach.200Cを一粒摂る。
翌朝、目が覚めるとまるで頭痛など無かったかのように痛みが消えている。
まあこれまでも寝たら治ることもあったし、それと同じかなとも思うが、あまりにきれいサッパリ頭痛が消え去っていたためいたく感動した。
運動時頭痛(労作性頭痛とも言う)に心当たりのある方、試しにLach.を摂ってみてほしい。
そして、摂ってみてどうだったか感想をいただけるとうれしいです。
！お願い！
山での妄想は遭難の原因になります。
熱くならず、常に冷静に余裕をもって楽しんでください。
岩崎健寿ホメオパス/Enjoy life ホメオパシーケアルーム
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