こんなことで症状が楽になる?!
生活習慣病の改善をサポートする保健師でホメオパスの清瀧です。
私は、ホメオパスと並行して保健師として企業で働く方々の健康相談をおこなっています。
そこでは主に健康診断結果の読み解き方、そして今後起こり得る健康上のリスクについて説明し、クライアントのライフスタイルに応じた解決策を一緒に考え提案し、行動変容を起こすキッカケづくりのお手伝いをしています。
ホメオパシー療法を確立した医師のハーネマンも「日常生活習慣やその生活環境全般を見直す事は、ホメオパシー療法をおこなう以前に重要なことだ」と語っています。
まさしくその通りで、日常生活習慣の見直し(食事・運動・休養)をおこなうことで体調が改善する例は本当に多いのです。
ただ皆さんその方法を知らないだけで気づいたらもう既に治療しなければならない位、病状が悪化してしまう場合が、とても多いように感じています。
今回は、相談を伺う中で、悩みとしても多く取り上げられる、ひどい月経痛(特に原因として婦人科系由来の病気がある場合)ついて、クライアントさんに実践していただき効果があった内容についてお伝えします。
世の中では、あまり知られていないことも含まれていますが、この対策で、私自身をはじめ、アドバイスした方によい変化が得られたので、お試しいただく価値はあると考えます。
不調の原因
ひどい月経痛(特に原因として婦人科系由来の病気がある場合)は、2つの女性ホルモンバランス(エストロゲンとプロゲステロン)の乱れによって起こります。
プロゲステロンがエストロゲンの作用を抑えている場合、バランスが保たれるため症状は起こりませんが、このバランスが崩れ、エストロゲンが優位になると痛みなどの不調が起こります。
そしてそれらのバランスの乱れは、身体にとって害となる物質が様々なルートから体内に侵入することで生じること、その要因として冷え、ストレス、減量、睡眠不良が考えられます。
この解決方法は、「ホルモンバランスを乱す原因となるものをいかに取り除くか」がポイントです。
ホルモンバランスを整えるための7つのポイント
この二つのホルモンバランスを保ち、痛みなどの不快症状を改善するために、留意すべきポイントは以下となります。
1.蛋白質の摂り方を見直す
肉や魚のような動物性蛋白質には、環境エストロゲンが凝縮した形で含まれており、体の中のホルモンバランスを乱します。
一般的に販売されている肉には、短期間で成長を促すためのホルモン剤や病気を予防するための抗生物質が投与されています。
肉の場合、特にそれは脂身の部分に蓄積されており、それを食べる私たちのホルモンバランスにも影響を及ぼします。
そして魚にも環境汚染物質が蓄積されています。水中の濃度の1000万倍に濃縮される場合もあるため、陸にいる動物よりも高いことが知られています。
それは食物連鎖上、大きな魚ほどそれが蓄積しています。
最近は、母子手帳にも魚の環境汚染物質の含有量に配慮して食べる量を制限する文言も記載されているほどです。
ホルモンバランスを乱す原因を取り除くことを考えた場合、蛋白質の摂り方で注意するポイントは、動物性蛋白質をできるだけ控え、植物性蛋白質に変えることです。
最近は、植物性蛋白質のみでも必須アミノ酸が賄えることもわかってきました。
特に、大豆の蛋白質はアミノ酸として分解吸収されると肝臓で身体の蛋白質に合成されるため、お肉やお魚よりも消化吸収の効率がよいそうです。
大豆製品は、豆腐、納豆、きなこ、豆乳など皆さんご存じの通りです。
その他、植物性蛋白質を効率良く摂るための豆類や野菜は以下となります。
枝豆:スープや炒め物に
黒豆:スープや炒め物などどんな料理に足しても大丈夫。蛋白質だけでなく、食物繊維、カリウム、葉酸、ビタミンB6なども豊富
ひよこ豆:スープやサラダに。食物繊維も豊富
レッドポテト:野菜と一緒に蒸し焼きで。たんぱく質たっぷり、食物繊維とビタミンB6が豊富
ほうれん草:お浸し、炒め物に。カルシウム、葉酸、鉄、食物繊維、ビタミンK、ビタミンCも豊富。
芽キャベツ:ゆでても、炒めても
これら豆類や野菜から蛋白質をしっかりとっていきましょう。
そうはいっても、どうしても肉や魚を食べる際の留意点は、下記となります。
・肉を食べる場合は、放牧で育ているホルモン剤不使用のものを探しましょう。
・魚を食べる場合は、食物連鎖上一番最下層にいる、シラス、イワシなどが残留農薬の含有量が比較的少ないと考えられますので、小さい魚を選択しましょう。
2.乳製品についての考え方
牛からとる牛乳は、妊娠中の牛を使っているため、牛乳から私たちに大量の女性ホルモンが入ります。日本では、相当こだわりを持って生産しているところ以外、基本的に妊娠している牛から搾乳しています。
そもそも日本人の多くは牛乳に含まれている乳糖を分解できず、アレルギーを起こしやすい傾向にあります。
また、牛乳の多くは、高温殺菌されているため、牛乳のたんぱく質(カゼイン)が変性してアレルギーを起こしやすいのです。
そして、牛の飼料です。販売価格を安く設定することを目標に生産している場合は、農薬・化学肥料を使って作られた飼料が一般的です。
このような理由から、私たちの体の中に牛乳などの乳製品が入ることは、ホルモンバランスを乱す原因となるのです。子どもの場合は、必要以上に低年齢で成熟してしまう(生理が早まる)、大人の場合は、子宮や卵巣のトラブルの原因になると考えられます。
ですからホルモンバランスを整え、月経痛などはじめとする婦人科系の症状改善のためには、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品は控えましょう。
3.野菜の選び方
野菜は、できるだけ新鮮なオーガニック(農薬や化学肥料などの化学物質を使用せず、自然の力を生かして生産される農産物)ものをお勧めします。
オーガニック野菜の栄養価はそうでない野菜と比較して栄養価が高いです。
農薬を使っているの土壌は、作物が弱く、病気にかかりやすいため、殺虫剤がまかれ、より弱い土壌になること、そしてその駆除剤も作物が吸収してしまいます。
また、新鮮な野菜にはファイトケミカル(植物に含まれる健康効果のある物質)がたくさん含まれています。
そのファイトケミカルには、エストロゲン優位の状況を遮断する働きがあります。
そして野菜の食物繊維は、ホルモンバランスを維持する働きがあります。
これが、できるだけ新鮮なオーガニック野菜をお勧めする理由です。
4.水分補給のメリット
人間の体は、年齢とともに細胞内の水分量が減り、年を重ねるほど慢性的に水分不足になります。
よく朝方に心筋梗塞や脳梗塞など起こすのは、朝方が人間にとって一番脱水状態になっているためです。
水を飲むことで体の中の水分、つまり血液やリンパ液の流れをサラサラの状態にし身体を浄化できます。
体の中の水をドロドロにして、流れを悪くする原因の一つは、お肉の食べ過ぎです。特に牛肉や鶏肉の食べ過ぎは、血液をドロドロにして血管のコンディションを悪化させます。
ドロドロした血液は毛細血管まで届きにくく、細胞に酸素や栄養がまわらなくなります。
また、人間の体はある程度の年齢になると、つねにどこかでガン細胞が生まれていると言われています。
そのガン細胞を白血球の一種が殺していると考えられていますが、タバコや肉食のせいで、白血球や赤血球が毛細血管に入れなければ、がん細胞の増殖は、止められません。だからタバコを止めて肉食を減らし、お水をたくさん飲むことで血液がサラサラとなり赤血球や白血球をよく動かし、抵抗力の高い身体をつくります。
そして、実はお水を飲むことはダイエットにも効果的です。お水を飲むことにより交感神経が刺激されてエネルギー代謝が活発になることで消費カロリーが確実に増えます。
よく水を飲み過ぎると、水太りするとか、体がむくむという人もいますが、これは、水の摂りすぎが原因ではなく、腎機能の低下が原因です。
腎機能が落ちている方以外は、お水は飲めば飲むほど、排尿量が増え、新陳代謝が活発になります。
その結果、脂肪分の代謝も活発になり、減量にも老化現象を防ぐことにもつながります
これだけよいことがありますので是非1日2~3リットルのお水を飲むように心がけてみましょう。
・カフェインを含む飲み物について
コーヒー、紅茶、緑茶などのカフェインは、エストロゲンの分泌を刺激する作用があります。特に排卵から月経が始まるまでの約2週間や、ピルを服用している期間は、カフェインの効果が長くなることから、飲むこと自体がエストロゲンを増やす要因となります。
また、利尿作用(体の水分をおしっことして出してしまう)があるため、折角とった水分が排泄されてしまいます。
・アルコールについて
エストロゲンは、アルコール分解を抑制する働き、利尿作用があります。水分にはなりません。
・ソフトドリンク・野菜ジュースについて
ソフトドリンクやスポーツドリンク、野菜ジュースは、ここでは水分ではなく甘いお菓子の分類となります。嗜好品のお菓子をご参照ください。
5.ホールフーズのすすめ
ホールフーズとは、オーガニックで精製されておらず、栄養価が損なわれていない状態の食べ物のことです。
ふだん私たちは、玄米を精製した白米を食べることが多いのですが、白米は食物繊維をすべて落とした状態です。
米などは精製することで、体のエネルギーになる栄養素(ビタミン・ミネラル・酵素)をそぎ落としてしまいます。
そのため米本来の力を発揮することができません。それはとても勿体ないことです。
できる限り玄米、胚芽米までに精製を留め、本来持っている栄養素をそのままそのまま体に入れましょう。
炭水化物のみに限らず、その他、豆類、野菜、果物も、未精製のものを摂ることで、その食べ物本来の栄養が損なわれることなく、余計な添加物も含まれることもなく一番良い状態で、食べられることが大切です。
6.嗜好品について
1.砂糖を含むお菓子類
砂糖は、ホルモンバランスを乱す働きがあります。
そして、他の栄養素を奪い取ります。
そのため砂糖やお菓子を食べることで、折角食事で補ったビタミン・ミネラルは、身体に使われず、砂糖を処理することに使われてしまいます。
砂糖の摂り過ぎで、ビタミンB1が不足すると、疲労感や抑うつ症状になることがわかっています。
また、免疫力が低下し、カンジダ菌のような常在菌のバランスが崩れることで、カンジダ性膣炎をおこしやすくなります。
このように、砂糖を含むお菓子類を摂ることは、身体にとってデメリットになります。
では、甘いものが欲しくなった場合、どうしたらよいでしょう。
そんな時は、お菓子のように加工したものではなく、果物やサツマイモ、トウモロコシのように加工していない食品をそのままの状態で食べてください。
果物やサツマイモ、トウモロコシ等、天然の甘みを持つ食べ物には、食物繊維やビタミン、ミネラル、水分がたっぷり含まれています。
このような栄養素のコンビネーションは、食べたものの消化を促進するだけでなく、腸内細菌のバランスも整えてくれます。
ですから、甘いものはできるだけ果物やサツマイモ、トウモロコシ等、加工していないそのものの状態のままの食品で、とることを心がけましょう。
2.タバコの影響
タバコは、女性ホルモン、特にエストロゲンの分泌を抑制します。
また、月経不順や、カルシウムの代謝に悪影響を及ぼし、骨粗鬆症になりやすいです。
そして、エストロゲンは、肺のがん細胞の増殖を直接促進することにより、肺がんの発生にかかわると考えられています。
7.定期的な運動のメリット
定期的に運動をすることで代謝を維持できると、身体の中で作られたエストロゲンが、脂肪組織に溜まってしまうことを防ぐことが可能です。
英国のリバプールジョンムアーズ大学の研究で、ウオーキングなどの運動を続けると、ホットフラッシュを改善できることが証明されています。
また、筋トレをおこなうと全身の血流が促進され、細胞を活性化させて内臓機能を高め、子宮や卵巣などの生殖器官が正常に作用します。
月経痛で活用できるレメディ
月経痛など婦人科系の病気に伴う不調が起こった場合の為のレメディ―をご紹介します。
しかし、婦人科系疾患などの慢性の病気に対しては、これらのレメディ―で対応することは無理です。セルフケアは難しいのでホメオパスに相談していただくことをお勧めします。
マグフォス(Mag-p.):月経痛の痛み全般。温めると楽になる痛み。圧迫すると痛みが和らぐ。
ラカシス(Lach.):月経が始まると和らぐ痛みに対して。月経前症候群、月経がはじまる前に調子が悪いとき
ポースティーラ(Puls.):思春期の生理痛。月経が不順な傾向。生理が遅れがちで量も少なめ
シーピア(Sep.):ホルモンバランスが大きく動いている場合、妊娠・出産・授乳期の不調
カーボアン(Carb-an.):ホルモンに関連している症状のレメディの効き目を高める。使い方は、まずカーボアンを摂ってから、マグフォス、ラカシス、ポースティーラ、シーピアなど、その症状像に合うレメディを摂ることで、これらのレメディの効きをより高める。
最後に
いかがでしょうか。今回ご紹介した情報に基づき日常生活習慣を変えると2週間程で、変化が感じられるようです。
ホルモンバランスを整えることに着目した生活習慣改善は、自分でできる方法です。
婦人科系の辛い症状は、薬が効きにくい場合も多いですが、実は自分の力で改善できる可能性もある症状です。厳選して選んだ食べ物は、薬にも匹敵すると考えます。
食事をはじめとする日常生活習慣の改善で、健康な体を取り戻してみませんか。
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