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今尚、謎のベールに包まれる!未解明の奇妙な眠り病〝ナルコレプシー〟

こんにちは。

ホメオパシー療法家、山歩き療法家の岩崎健寿です。

新緑の季節になり、山のエネルギーがもっとも盛んになってきた今日この頃、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

季節の変わり目で、体調を崩している人も多いと思います。わたしは春になってから、2度ほど体調を崩しました。

山も人も、その環境に合わせて変化していきます。季節の変わり目に体調を崩しやすいのは変化が大きいからですね。

それに適応するために、今ある均衡を一旦崩す必要があるのでしょう。

不調は、「バランスを失った心身の調律」と言えるのではないでしょうか。

快復すると、心も体もさっぱりして気分が良いですからね。

さて、今回は「世にも奇妙な眠り病」ナルコレプシーを取り上げてみました。

聞いたことあるけど、あまり馴染みがない。そんな人も多いと思います。

ただ、やっぱりどんな病気や症状も、その人にとっては必要なものだと感じます。

ナルコレプシーってどんなもの?

ナルコレプシーは、睡眠障害の一つです。

突然我慢できないほど強い眠気に襲われ、すぐに眠りに落ちてしまいます。

ナルコレプシーの発作は、数分から数十分程度つづきます。

歩行中や試験中など、健康な人なら絶対眠らない場面でも眠ってしまいます。

中には、眠気を感じる前に眠ってしまう人もいます。

Nux-m.(ナックスモシャータ/ナツメグ)は、そのような症状に良いレメディーです。

抑えがたい眠気、夢見るような、混乱した、うとうとするといった症状に合います。

ナルコレプシーはよく眠る?

ナルコレプシーの人は確かによく眠ります。

しかし、超ロングスリーパーかというとそうではありません。

夜間の睡眠時間は一般的なそれと比べてあまり変わりません。

長時間眠っている人ではなく、覚醒時に短時間の居眠りを繰り返すところが特徴です。

本人も気づかないうちに眠りに落ちてしまう。

そんな状態で日常生活を送ることは、かなりの障害を伴います。

ナルコレプシーが好発しやすい年齢は?

ナルコレプシーは、発達過程の若者に多いことが知られています。

日本では、13歳〜14歳頃が一番多いです。これはアメリカやヨーロッパも同じです。

中国では、それらの国より5年ほど早く、8歳頃に好発期のピークを迎えるという研究もあります。

ナルコレプシーは、遺伝的要因や環境的要因が発生に影響を与えると考えられています。

HLA遺伝子の変異や高ストレスな環境、感染症の発生率が高い地域などで好発することが知られています。

 

「一人っ子政策」とナルコレプシーの関係

中国では、1979年〜2015年まで「一人っ子政策」が実施されていました。

この政策は急増する人口増加にストップをかける意味では成功したといえます。

しかし、弊害もいくつかありました。

そのうちの一つに、「子どもの心の問題」があります。

子どもたちの孤独感が強くなっているのです。

兄弟姉妹がいるという安心感や連帯感は、発展途上の子どもの心にとって、とても重要な意味をもちます。

また、他にきょうだいがいないため、親からの期待やプレッシャーでストレスも大きく、子どものうつ病や社会不適応が増えています。

高ストレスな環境という面では、他の国々より早期に発生しやすい要因が揃っているのかもしれません。

 

「気絶」や「てんかん」とナルコレプシーの違いは?

ふいに意識を失うところは、気絶や脱力系のてんかんに似ています。

それらとナルコレプシーは何が違うのでしょうか?

ナルコレプシーの好発期は十代半ばの多感な時期です。

そして、恐怖をともなう幻覚や夢を見ます。

オレキシンやヒスタミンといった脳内伝達物質も関係しています。

さらに、自己免疫疾患の可能が指摘されています。

気絶・脱力系てんかん・ナルコレプシーは、それぞれ次のような特徴があります。

気絶

気絶は、血管が収縮して脳に十分な血液や酸素が行かなくなった場合に起こります。

また、異常な心拍数や血圧も原因になります。

気絶すると、意識を失って倒れることがあります。

気絶は外傷や疾患やショックなど、身体的な原因で引き起こされます。

脱力系てんかん

全身の筋肉の緊張がなくなってしまうため、崩れ落ちるように倒れてしまうてんかん発作です。

発作は数秒以内と短いため、発作とわからないこともあります。

歩いていて、突然カクンと膝が落ちることもあります。

てんかんは、脳内の興奮系神経と抑制系神経のバランスが乱れたときに起こります。

興奮系が強すぎたり、または抑制系が弱すぎたりすると、過剰興奮状態となり脳内の電気信号に乱れが生じます。

ナルコレプシー

ナルコレプシーは、オレキシンやヒスタミンといった中枢神経を興奮させる物質との関わりがあると言われています。

オレキシンは、覚醒を促進し、食欲を抑制します。

ナルコレプシーは、オレキシンをつくる神経細胞が何ならかの理由で不足しています。

ヒスタミンは、炎症やアレルギー反応を引き起こす神経伝達物質としても有名ですが、覚醒状態を維持する働きがあることも知られています。

そのため、これらの物質が不足することで、覚醒と睡眠の調節がうまくいかなくなってしまうのです。

ナルコレプシーの意識喪失は、あくまでも眠りです。

瞬時にレム睡眠の状態に落ちてしてしまい、夢や幻覚を見ます。

ごく短時間の眠りの後、爽快に目覚めます。

一日に何度もそのような睡眠発作が起こることもあります。

意識を失うレメディーの中の一つに、OP.(オピウム/芥子)があります。

これは、恐怖や事故、強烈な羞恥心など、感情的・身体的ショックの後に意識を失ったときによく合います。傾眠にも良いレメディーです。

 

恐怖体験を伴うナルコレプシーの金縛りと幻覚

ナルコレプシーは金縛りに遭ったり、幻覚を見ます。

幻覚は楽しいものというより、むしろ恐怖体験をともなうものが多いようです。

触られたり、圧迫されるなどの体感をともないます。

さらに、異形のものを見てしまうため、心霊現象と感じる人もいます。

≪わたしの金縛り体験≫

余談ですが、実はわたしも十代半ばに金縛りに遭いました。意識はあるのに本当に身体が動かない。怖いと思うと余計に怖くなり、枕元に誰かが立っているような気配を感じました。目を開けたらヤバいと思い、固く目をつぶってやり過ごし、気づいたら朝を迎えていました。

ナルコレプシーの発作中は、このような金縛りに加え、リアルな映像や体感も加わるため、その恐怖はわたしの比ではないと思います。

ナルコレプシーは自己免疫疾患か?

ナルコレプシーの人は、特定の白血球の血液型(HLA)を持っています。

HLA(Human Leukocyte Antigen)は、自己と非自己を区別する大切な免疫機能で、細胞や体液も含めて全身に分布しています。

本来なら自分を守るべき免疫機能ですが、なぜか自分自身を攻撃してしまうことがあります。

関節リウマチや全身性エリテマトーデス、橋本病などの自己免疫疾患です。

ナルコレプシーはHLAとの関連により、自己免疫疾患の観点からも研究されています。

関節リウマチの有名なレメディーは、Caust.(コースティカム/水酸化カリウム)です。

これはカリウム族のレメディーで、その性質は正義感が強い、同情心が強い、白黒はっきりさせる、義務感、憂うつ、規則や規律を厳守、予定変更を嫌うなどの特徴があります。

 

シュタイナーの7年サイクルから観るナルコレプシー

シュタイナーは7年ごとにそれぞれ次のような発達段階を提唱しています。

年齢 段階
0〜7歳 身体の発達期
7〜14歳 感性と思考の発達期
14〜21歳 意志の発達期
21〜28歳 独自性の発達期
28〜35歳 社会化
35〜42歳 自己実現期
42〜49歳 芸術や創造力の発達期

 

ナルコレプシーの好発時期と重なる7〜14歳について、シュタイナーは次ように言い表しています。

『真の人格にふさわしい個性的な人体は、次第に作られていくのですが、七歳から十四歳までのあいだが個性のこの作業のもっとも集中して行われる時期なのです。』

(出典:治療教育講義 ルドルフ・シュタイナー 高橋巖 訳)

ナルコレプシーは、遺伝や神経伝達物質の異常、強いストレス環境などが原因と言われていますが、以上のようなシュタイナーの言葉から、さらに別の要因も絡んでいる可能性を感じます。

アストラル体(感情体)と自我から観るナルコレプシー

人は大きなストレスに晒されると、意識を失います。

前述した気絶やてんかんもそうですが、境界性パーソナリティ障害では別人格が表に出ているとき、他の人格は記憶がありません。強いストレスに耐えるために、無意識に別人格を作り出すと言われています。

それぞれ疾患名は異なりますが、強いストレスを処理しきれなくて意識を閉じてしまうところは共通しています。

他者から見てそれほど大きなストレスでなくても、ナルコレプシーの人は許容外のストレスを感じているのかもしれません。

さらに、発作のスイッチが入りやすい本人だけのストレッサーがあるのかもしれません。

アストラル体(感情体)や自我は、この世界での経験を死後、霊的世界へ持ち帰ります。

そして次の人類がそのエッセンスを受け継いで、さらに人類を発展させてゆくのです。

今回ナルコレプシーを取り上げて感じたことは、アストラル体と自我がこの世界での体験を進めるにあたり、「かなり躊躇しながら、石橋をたたいて渡っている。」そんな印象を受けました。

最後に、Ambr.(アンバーグリシア/竜涎香)を紹介します。

このレメディーは、知らない他人がそばにいると悪化。決まりの悪さや心配、動揺などささいな原因から悪化する傾向があります。

地に足が着いていない状態やピーターパン症候群に合うと言われています。

さて、いかがでしたでしょうか。

一見、なまけ病と勘違いされてしまうナルコレプシーですが、本人はどうすることもできません。

まだまだこれから多くのことが解明されていくであろう疾患です。

治療方法も途上にあります。

遺伝であっても、その発作が起きづらい世の中をつくっていく。

そんなことも、私たち自然療法家に課された役目なのかなと思っています。

お母さんと子どもの関係性については、伊藤ホメオパスの記事も読んでみてくださいね。

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ABOUT ME
岩崎 健寿
群馬県出身。精神科病院に勤務していたとき、薬物療法主体の治療に疑問をもつ。その折、コンビニで偶然ホメオパシーと出会う。はじめは半信半疑ながらも次第におもしろさに目覚める。家族もふくめて日常のたいていの不調はレメディーで対応している。自身も鬱や腰椎ヘルニアを経験し、都会の住みにくさに辟易しながらもそれらを受け入れ克服。現在はホメオパスとして活動しながら、重度の自閉症および知的障害者のサポートをおこなっている。デスクワークに飽きたら山を歩き、プールで泳ぐ。目下の目標はアイアンマンレースを完走すること。適度に運動してたっぷり水を飲み、しっかり眠ることが健康の秘訣と確信している。

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