体の悩み

身体を整える〜梅雨編〜

ホメオパスの麻生摂子です。

今年も梅雨がやってきました。

私は、お日さまの匂いのする洗濯物が大好きなので、この梅雨の季節は少し憂鬱です。

皆さんはどうですか?

梅雨の季節、気分が乗らないだけではなくて、体調を崩す方も多くいらっしゃいます。

今回は、そんな梅雨の季節に見られやすい心と身体のトラブルと、おうちでできる食養生をご紹介します。

梅雨に見られやすい心と身体のトラブル

梅雨時は、雨の日は涼しく晴れの日は蒸し暑い、また昼は暑いのに夜は肌寒いなど「寒暖差」が大きいことで自律神経が乱れやすく、日照時間が少なくなることでセロトニン分泌にも影響がでて気分が上がらないなんてこともあります。

梅雨時によくご相談を受けるものとしては以下のようなものがあります。

① 頭痛、めまい

② 体がだるい、食欲不振

③ 憂鬱になる

④ 関節が痛む

⑤ 足がむくむ

⑥ 気管支喘息

日本は海に囲まれた島国であるということ、また、お刺身のように生食を好む民族であることなどから、体に「湿」が溜まりやすいと言われています。また梅雨時期は外気の湿度が高いため、より体から「湿」が抜けにくくトラブルの原因になります。

これらの状態を、中医学的に見てみましょう。

まずは、中医学の中でも基本の基、「五行学説」についての説明です。

中医学の基本・五行学説

中医学には五行学説というものがあります。

これは自然界や人間などの様々な現象をもくこんすいの5つの性質に分類して関係性を考えるものです。自然界が大宇宙ならば私たちの体は小宇宙。大宇宙の法則は私たちの体にも同様に認められるものが多くあって、とても興味深いです。

「ホメネクお悩み相談室」でもいろんなホメオパスが「春と肝は関係が深いから〜」と言われていましたが、それもこの五行学説が基となっています。

では具体的に、少しご紹介しましょう。

五行の木火土金水の性質と五行色体表

五行学説で言う木火土金水は、それぞれ次のような性質を表しています。

もく・・木の成長のような上に伸びる様子、伸びやかさ
・・火が燃えるような勢い、熱さ、温かさ
・・大地のように物を生み出し抱き育むちから
こん・・大地から金が生まれるような変革させるちから
すい・・水のように下へ降りるさま、潤いを与えるさま

これら自然に見られる様子を私たちの体の働き(五臓)に対応させ、さらにその五臓に影響を与えるもの、関連性の強いものが一覧になっているのが五行色体表です。

ご覧になられたことがありますか?

 

五行 五季 五臓 五腑 五味 五色 五官 五志 五気
小腸
梅雨 湿
大腸
膀胱

<五行色体表>

季節にも、私たちの臓器・器官にも、味覚、感情にも、色にも!五行が存在します。

五行の「もく

上に記した五行色体表は、色別に横に見ていくと関係性が分かります。

例えば、緑色の行「もく」のところを見ていくと、木々が成長するように伸びやかな様子は、季節で言えば「春」。その春と関係性の深い臓は「肝」。「肝」と表裏一体の仲良しな腑は「胆」。「肝」が喜ぶ味は「酸」。「肝」が病めば顔が「青く」なり、また「肝」を栄養する食べものは「青い(緑色)もの」。「肝」は「目」を通して外界と繋がる。「肝」が病めば怒りやすくなり、「肝」は「風」という気候特性と関連性が強い、というふうに。(本当はもっと沢山あります。特に身近なものを抜粋してみました。)

五行から見ると梅雨はどんな季節?

五行の「

では、今回のテーマである梅雨の季節について見ていってみましょう。五行色体表の黄色の行、五季の「梅雨」のところを見ると、五行は「土」。五臓は「脾」。五腑は「胃」です。

中医学で言う「脾」は現代医学で言う「脾臓」とは同意義ではありません。五臓はそれぞれの臓器を指すのではなく、その働き・機能を表します。ですから、「脾」は体の中腹部で行われている働き、即ち食べ物の消化吸収とそれを元に血や気力を産生するということ、ひいてはそれが大きく影響するであろう免疫の働きなど全てを指しています。

この表は、そんな「脾」そして仲良し臓腑の「胃」が、季節で言うと梅雨(また、少しややこしいですが梅雨だけではなく季節の変わり目である土用も指します。)、そして気候では「湿」によってダメージを受けやすいので特に気をつけた方がいいですよ、ということを表しています。

この「湿」によるトラブルが、実は最初にお伝えした梅雨時期に認められやすい諸症状に大きく影響しています。

梅雨の季節に体が重だるい、頭重感がある、ぐるぐる回るような眩暈がする、足がむくむ、四肢が重だるい、ジュクジュクとした湿疹が出る消化不良をおこしやすい、泥状便が出る。このような症状が見られる方は、湿によるものの可能性が高く、「脾」や「胃」が弱いのかもしれません。

脾胃に良い食材

五行の「土」のところを見ると、五味は「甘」、五色は「黄」とあります。

そう、甘いものは「脾胃」を助けます。甘い物好きには嬉しい情報!

ですが、残念ながら砂糖のような強い甘さの摂り過ぎは、むしろ湿を生みます。

ここで言う「甘味」とは、でんぷん質の甘さ。黄色くて甘い、さつま芋やとうもろこし、かぼちゃ、大豆など自然な甘さを持つ食材が脾胃を元気にしてくれます。

また黄色と言えば、パイナップルも胃に良い食べ物です。温かい地域で採れる果物ですが、体を冷やすことなく暑さも取ってくれるので、梅雨時期に体に熱がこもる方にはとても良いでしょう。

どんなことに気をつけたらいい?

体に湿が溜まるという事は、重だるさや浮腫みを生むということだけではありません。川の流れを想像してもらったら分かるように、水も流れていればサラサラと綺麗ですが、流れを失った水は澱み腐っていきます。

体の中でも同じことが起こります。きれいな体の水分(体では津液と呼びます)も、長く留まり澱めば炎症物質の元に。痰となり鼻水となり目やにとなります。喘息の原因にもなります。

脾胃を傷めない

食べ過ぎない、飲み過ぎない、冷やさない。

特に症状の酷い時には、消化に良い調理法で食べる。

キンキンに冷えたビールと唐揚げ!堪らなく美味しそうだけれど・・程々が良さそうです。

お肉を少なめに野菜をたっぷりと

高脂肪も脾胃に負担がかかります。お肉の食べ過ぎは湿のもとに。

脾胃に良い食材、湿を取ってくれる食材を積極的に摂る

黄色いもの(もちろん全ての黄色い食材が適しているわけではありません)、でんぷん質の甘みのあるもの、体の湿を取ってくれる空豆などの豆類などを食事に取り入れるのもとても良いですね。

私はこう思う

ですが私はこう思います。

『あれこれ考えすぎるよりは美味しく食べるべし!』

「脾」と関係の深い感情は「思」。あーでもないこーでもない、こうじゃなきゃダメと考えすぎる癖は「脾」を傷めます。ストレスで胃潰瘍になるのもここが関係しています。何でも◯◯過ぎは病気のもと。助けになる知識を得た上で、そこを踏まえた上で、何よりも大切なのは楽しく語り合いながら美味しく食事をいただくことではないかなと思います。

美味しくいただいた食材は、私たちの脾を通して気になり血になります。

「いただきます」「美味しいなぁ」と言ってエネルギーを受け取りたいですね!

ABOUT ME
麻生 摂子
子育てをしながら夫の経営する動物病院を手伝う中、夫の勧めでホメオパシーと出会いました。初めて参加したセミナーでホメオパシーに魅せられすぐに通学を決意、4年後晴れてホメオパスに。以後ホメオパスとして活動する中で様々な代替療法にも触れることとなり、自身の中で自然療法、代替療法の世界を広げていきました。ホメオパシーだけが素晴らしいわけでもありません。現在2010年から行っている健康相談会では、ホメオパシーをベースにそれぞれの療法の良さも取り入れ、クライアントさんが自分らしさを取り戻せるよう、その方に合った療法をお勧めしています。 獣医師。JPHMA認定ホメオパス/アニマルホメオパス/インナーチャイルドセラピスト。 国際薬膳学院認定予防医学食養生士/薬膳食療法専門指導士。

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